真っ赤なイチゴが上に乗り、おいしそうなケーキ。冬が近づくにつれ、これからクリスマス商戦も本格化する。ただ、このイチゴを巡り今年は少し状況が異なるようだ。

<イチゴが心配>
福島県福島市にある中野屋菓子舗。
ショーケースには…旬を迎えたイチゴを使ったスイーツが並ぶ。
中野屋菓子舗・早坂吉弘代表は「胃が痛いくらいで常に不安ですよね。いちごが入ってきてこそのクリスマスケーキだったり、ケーキなのですごい心配してます」と話す。「心配」と話すその理由は「大きさが全然違っていて、飾るにはちょっと…」

<品薄でコスト高に>
普段は県内の農家から仕入れているイチゴ。ただ2024年は出荷の遅れがあり、現在は県外産のイチゴを仕入れている。県外産のイチゴは小粒なものも多く、ケーキの飾りに使うものはスーパーや青果店などで購入し、その分コストも高くなっている。

<残暑でイチゴが品薄に>
農林水産省によると、2023年のこの時期は残暑の影響でイチゴの出荷が遅れ、価格は平年と比べて1.5倍に上昇。2024年も2023年と同様の暑さが続いていることからイチゴの品薄による価格上昇を懸念している。
中野屋菓子舗の早坂さんは「そうなると他の材料費も上がってますし、最終的には値上げしかないなと」と話す。

<イチゴ農家もコストが上昇>
一方、イチゴ農家も厳しい状況にある。
福島県伊達市の「斎藤農園」。斎藤農園の斎藤寛泰代表は「年々資材も上がっていますし、従業員の賃金とかも上がっているので…」と話す。

イチゴを詰める段ボール、肥料などの資材価格が高騰。また、最低賃金の改定に伴う人件費の上昇。追い打ちをかけるように2024年は虫が葉を食う被害が多く、収穫量も少なくなる恐れも。このため1パック当たりの販売価格を2023年よりも約100円程の値上げすることを予定している。
斎藤農園の斎藤さんは「値段は高くなってきてしまうんですけども、おいしいイチゴはできていますので、皆さんに食べていただいて笑顔になっていただければなと思っています」と話す。

近づくクリスマス商戦。イチゴの価格や出荷状況などを見極めつつ、中野屋菓子舗では販売するクリスマスケーキの数を制限するなどして、価格を据え置くことを検討しているということだ。

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