記者団の取材に応じる財務省の神田真人財務官=東京都千代田区の財務省で2024年4月30日午前8時2分、杉山雄飛撮影

 財務省の神田真人財務官は30日、「過度の変動が投機によって発生してしまうと国民生活に悪影響を与える。しっかり対応していかなければならない」と述べ、外国為替市場の投機的な動きを重ねてけん制した。記者団の取材に答えた。「24時間体制」で対応する考えも示した。

 前日に政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に踏み切ったとの見方に対しては「介入の有無について私から申し上げることはない。ただ、必ず来月末にはしっかりとディスクローズ(開示)がなされるように手配をする」と語った。

 また、円安の影響について、神田氏は「スーパーへ行って食料品を買おうとしたら、ものすごく高くなっている。最も脆弱(ぜいじゃく)な人たちへの影響が大きくなってしまう」と強調した。

 2023年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)が前年度比2・8%上昇となるなど、物価高が国民生活を圧迫する状況が続いており「食料やエネルギーの上昇は、ロシアによるウクライナ侵略に伴うものよりも、今は明らかに為替の方が影響は大きい。日本全体が賃金を上げていこうとしているときに足かせになる」との見方を示した。【杉山雄飛】

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