「しゃぶしゃぶ」が外国人観光客の間で大人気となっています。なぜ、数ある日本食の中でしゃぶしゃぶなのか。そこには日本ならではの文化が影響しているようです。

■「しゃぶしゃぶ」なぜ焼き肉より人気?

 ピンク色の赤みに、きれいな脂身。アツアツのだし汁にくぐらせ、しゃぶしゃぶにするのは「近江牛」のサーロインです。

 近江牛や他の黒毛和牛の特選ロースを食べ比べできる贅沢なしゃぶしゃぶコース。東京・赤坂や新宿にあるしゃぶしゃぶ専門店では客の8割が外国人だといいます。ドイツ人男性は日本のしゃぶしゃぶに感激。

ドイツから来た人
「ワンダフル。日本で一番の肉だと感じた。白米と一緒に食べると最高。ゴマダレに驚いた。すごくいい。しゃぶしゃぶは今まで聞いたことがなかった。ドイツにはラーメンレストランはあるけど、しゃぶしゃぶない」

 旅行会社「HIS」のアメリカ法人は日本への旅行者を対象に「食べたい日本食」を調査。上位には「すし」「ラーメン」「天ぷら」と並ぶなか、「しゃぶしゃぶ」は堂々の6位。9位の焼肉を上回っています。

■焼肉よりしゃぶしゃぶ なぜハマる?

 南米チリからの家族が来店。

チリから来たカロリーナさん
「しゃぶしゃぶが大好きなので母も良い日本食を試してみたいだろうと思いました」

 チリで弁護士の仕事に就いているカロリーナさん。以前、日本で食べたしゃぶしゃぶの味が忘れられず、今回は家族と恋人を連れてきたといいます。

 ちなみに、彼女のいとこはプロサッカー選手でチリ代表のアレクシス・サンチェス選手(35)。ワールドカップにも出場した母国のスターです。

 店員からお湯にくぐらせる時間は10秒と教わると、カロリーナさんの恋人ポールさんがしゃぶしゃぶに初挑戦。

チリから来たポールさん
「食べてみよう」

 黒毛和牛を箸でつかんで、いざ人生初めてのしゃぶしゃぶタイム。真剣な眼差しで10秒間しゃぶ、しゃぶ、しゃぶ。これまた初めて味わうポン酢に付けてぱくり。


 あまりのおいしさに何度もうなづき、口の中でとるける黒毛和牛に舌鼓。

 日本のしゃぶしゃぶ、いかがでしょうか。

チリから来たポールさん
「本当に本当においしい」

 もう、しゃぶしゃぶする手が止まりません。すると普段、弁護士として働くカロリーナさんもノリノリに。鼻歌まじりで、しゃぶしゃぶを満喫。

 なぜ数ある日本食から、しゃぶしゃぶを選んだのでしょうか。

チリから来たカロリーナさん
「チリ人は肉が大好き。しゃぶしゃぶはスープと混ざってとてもおいしい」

 チリにはしゃぶしゃぶがなく、肉料理といえばリブロースなどの塊を豪快に焼くバーベキューがメインだといいます。

 欧米ではステーキなど、「焼く」調理法が主流のなか、薄くスライスした肉を日本特有の「だし汁」で熱して食べるしゃぶしゃぶに感激する外国人が多いようです。

ドイツから来たアランさん
「しゃぶしゃぶだと肉をいっぱい食べられるし、野菜は嫌いなんだけど一緒に食べられる」

 美食の国・フランスから来たカップルも薄く切ったからこその上質な味わいを称賛します。

フランスから来たユバルさん
「肉が薄いので食べやすい。それに良い肉だと分かる」

フランスから来たアーゲットさん
「とてもおいしい。舌触りが普段、食べるものと違う」

 東京・浅草にある、しゃぶしゃぶ食べ放題の店には海外からの団体客が連日、押し寄せています。

 台湾から来た22人のグループが頼んだのは、すき焼き用の鍋ですが、台湾式のしゃぶしゃぶスタイルで食べています。

台湾から来た人
「イー、アール、サーン。台湾では7回肉を鍋に付ける。これくらいの時間ならまだ柔らかい。牛肉は完全に火を通さなくても食べられる」

 それぞれのこだわりで日本のしゃぶしゃぶを堪能していました。

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