【個人】退職代行を利用した理由(回答数:800)=「マイナビ 退職代行サービスに関する調査レポート」より
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 若い世代を中心に利用者が増えている「退職代行」サービス。直近1年間で転職を経験した20代のおよそ5人に1人が退職代行を使っていたことが、就職情報サイトを運営するマイナビ(東京都)の調査で明らかになった。

 退職代行は本人に代わって勤務先に仕事を辞める意思を伝え、退職届の郵送などの手続きも行う。費用の相場は2万~5万円ほどとなっている。

 調査は2023年6月以降に転職した20~50代の正社員と、24年1~7月に中途採用に関わった人事担当者を対象に実施し、計2400件の回答を得た。

 結果によると、若い世代ほどサービスを利用する傾向にあり、20代が18・6%で最多。30代が17・6%、40代が17・3%と続き、50代は4・4%にとどまった。「利用した」と回答した人の7割超が「今後も利用したい」と答えた。

 退職代行を頼る理由はさまざまだ。「退職を引き留められた(引き留められそう)」が最多の40・7%。「自分から退職を言い出せる環境でない」(32・4%)、「退職を伝えた後にトラブルになりそう」(23・7%)と続いた。

 採用担当者の回答をみると、24年1~6月の間に、退職代行サービスを利用して会社を辞めた人がいた企業は23・2%だった。

 業種別では「金融・保険・コンサルティング」が31・4%で最も多く、「IT・通信・インターネット」(29・8%)、「メーカー」(25・4%)の順になっている。

 調査を担当したマイナビキャリアリサーチラボの宮本祥太研究員は「(退職代行の利用者増加の背景として)働く人と企業間のコミュニケーション不足が一因と考えられる」と指摘。「納得した形での退職が実現されるためにも、企業は意思疎通がしやすい環境・風土をつくり、相互理解につながる機会をつくっていくことが重要」とコメントした。【成澤隼人】

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