面会し、あいさつを交わす日銀の植田和男総裁(左)と石破茂首相=首相官邸で2024年10月2日午後5時49分、平田明浩撮影

 石破茂首相と日銀の植田和男総裁は2日、首相官邸で初めて会談した。会談後に記者団から日銀の利上げについて問われた首相は「個人的には追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と述べ、追加利上げを検討する日銀をけん制した。

 政府と日銀は安倍晋三政権の発足直後の2013年、2%の物価安定目標の実現に向けて連携する共同声明を発表した。足元で物価上昇が続いているが、政府はデフレを完全脱却したと宣言するには至っていない。日銀が利上げを急げば景気が減速する可能性がある。

 植田氏は記者団に対し、共同声明や金融政策の具体的な議論はなかったとした上で、「(今の金融政策は)極めて緩和的な状態で、我が国経済をしっかりと支えていく状態にある。緊密に連携していく認識で一致した」と述べた。会談では「我々の見通し通りに経済が動けば緩和の度合いを調整していくが、見極めるための時間は十分ある」と説明し、利上げの判断を慎重に進める考えを示したという。【園部仁史、竹地広憲】

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