(ブルームバーグ):著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイが今年2回目となる円建て社債の発行を計画している。同社が日本への投資を強化するとの観測が強まる可能性がある。

バークシャーは円建て無担保社債の発行に向け、BofAセキュリティーズとみずほを主幹事に起用した。同社は2019年以降、定期的に円建てで起債しており、直近では4月に発行した。

バフェット氏が日本の大手商社株を購入し、日経平均株価の過去最高値更新に貢献したことから、バークシャーの資金調達計画は株式投資家の間でも注目されている。同社は2月の年次株主書簡で、日本企業への投資の大部分を円債発行で賄っていると説明していた。

 

1日の東京株式市場では大手商社の株価が上げ幅を広げ、商社が含まれる東証卸売業指数は一時前日比3.1%上昇した。これは東証株価指数(TOPIX)の1.9%高を上回る。伊藤忠商事は一時4.3%高、三井物産は4.2%高まで買われた。

フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは、前回並みの起債があれば今年の起債額は年間で過去最大規模になりそうだとし、きょうの商社株上昇はバークシャーの投資を期待した向きが買いを入れたとみている。

商社株が上げ拡大、バークシャーが起債検討で追加投資の思惑広がる

 

増沢氏は、日本株全体にとっても「心強い買い材料となる」と指摘。自民党総裁選の結果を受けて株価は大きく下落したものの、水準は選挙前とあまり変わらないとし、下がったところでは日本株を買いたいという需要が強い中、「買いたい向きにとっては背中を押してくれる材料」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、取引が多い27年償還予定の円債のスプレッドは9月30日時点で約60ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。4月の起債時のスプレッドは51bpだった。ブルームバーグ指数によると、円建て社債の平均スプレッドは年初の約58bpから足元で44.8bpに縮小している。

(第3段落以下に円債発行額のチャートやスプレッドの情報を追加して更新します)

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