みずほ証券の浜本吉郎社長=東京都千代田区で2024年9月19日午後1時46分、成澤隼人撮影

 ネット証券との連携を強め、顧客基盤の拡大を進めるみずほ証券。浜本吉郎社長(57)は「顧客にとって必要なサービスは変わっていく。みずほの対面でのコンサルティング力とネット証券の利便性、双方の強みを生かし、多様な要望に応えていきたい」と語る。

 資本業務提携を結ぶ楽天証券とは昨年10月、資産に関する相談業務を行う共同出資会社「MiRaIウェルス・パートナーズ」を設立。今年4月に事業を開始した。比較的若い世代が多いネット証券の利用者に、対面やオンラインで資産運用の相談業務を始めた。資産形成や老後の資産承継といった悩みにきめ細かく応じることが狙いだ。

 浜本社長は1990年に日本興業銀行(現・みずほ銀行)に入行し、97年に興銀証券(現・みずほ証券)に異動した。銀行・証券・信託の連携強化を進めなければ国際的競争力が低下するとの危機感をにじませ、「顧客に寄り添って最善の提案をするには、法令を順守しつつ、グループ内の機能をさらに一体化させる必要がある」と力を込める。

 脱炭素や次世代エネルギーなどの分野の資金調達を支援する「サステナブルファイナンス」にも注力する。2021年には「サステナビリティ推進部」を設立し、「SDGs債」の引受額は5年連続で国内1位となった。「資源小国の日本で避けては通れない再生可能エネルギーなどの課題をどう克服するか。さらに提案力を磨いていきたい」と意気込む。【成澤隼人】

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