洋上風力発電への意気込みを語る東京電力リニューアブルパワーの永沢昌社長=東京都千代田区

再生可能エネルギー事業を手がける東京電力リニューアブルパワーの永沢昌社長は25日までに産経新聞の取材に応じ、2030年度に、今後着手する国内と海外の洋上風力発電事業の最終利益を、計200億円程度とする計画を明らかにした。

会社全体としては最終利益1000億円を目指す。大半は国内の水力で稼ぐが、200億~300億円は海外の水力と、国内と海外の洋上風力でまかなう計画だ。永沢氏は「どれが先行していくかは分からない」としつつ、新しい3事業をバランス良く育てていく考えを示した。

洋上風力では、海底に土台を固定する「着床式」に代わる技術として、風車を海に浮かべる「浮体式」が台頭しつつある。永沢氏は「浮体式はやや(他社よりも)先行し、2の矢、3の矢を撃ってきた」と自信を見せる。

同社は21年にノルウェー沖でドイツ企業などとともに、浮体式洋上風力の実証実験に参画。22年には英国の洋上風力会社「フローテーションエナジー」を買収し、英国沖で4つの開発権を取得した。今後行われる国内外の入札に向け、実績を積み上げる。

国内では今年3月、同社を含めた14社からなる、洋上風力の基盤技術を開発する組合が設立された。永沢氏は「ためた知見が、組合でも貢献できる」と述べ、特にケーブルなど機器の規格を日本勢がリードして世界標準とする「標準化」の実現に意欲を示した。

今年度は、国が中長期のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」を見直す。「(脱炭素目標の達成は)原子力だけでは難しい」と洋上風力など再エネへの取り組み強化を求めた。(織田淳嗣)

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