2023年度の道路貨物運送業の倒産件数が前年度を3割余り上回ったことが、東京商工リサーチの調査で分かった。なかでも、原因が人手不足に関連するものは2倍以上に急増。4月1日に導入された時間外労働の上限規制がドライバー不足を招くとされる「2024問題」を前に、求人難とそれに伴う人件費の上昇が、既に運送業者の経営を圧迫している実態が浮かび上がった。
調査によると、23年度の倒産件数は345件で、前年度の263件から31・1%増加した。年度の倒産件数が300件を超えたのは9年ぶり。
このうち人手不足関連の倒産は前年度の約2・2倍となる48件で、集計を始めた13年以降で初めて40件を上回った。物価高関連の倒産も141件に上り、前年度から76%増加。軽油価格の高止まりによるコスト増も経営状況の悪化に追い打ちをかける形となっている。
資本金別では、1千万円未満の企業の倒産が253件で、全体の7割以上を占めた。日本郵便が一部の長距離輸送に中継を設けたり、日清食品と全国農業協同組合連合会(JA全農)が共同輸送に取り組むなど協業を進めたり、大手事業者の間では対策も進む中、中小・零細企業の苦境が浮き彫りとなった。
こうした状況を踏まえ、東商リサーチの担当者は「次年度も同様に倒産件数が増加傾向になる可能性が高い」と分析している。
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