魅力や特徴がまだ伝わり切っていない“はじっこ”の街…今回は東京で唯一“鉄道がない市”武蔵村山市へ。「その味に惚れて嫁に来た」というソウルフードから“無料トゥクトゥク”まで、知られざる魅力を掘り起こし!

畑の脇で採れたて野菜が買える

北は埼玉県所沢市、南は東京都立川市に挟まれた県境の“はじっこ街”、東京・武蔵村山市。

人口約7万人。どんな人が暮らしているのか…街を歩くと畑にテント小屋と女性を発見!

畑の女性:
「ここは野菜の直売所なんですよ。とれたてなんです」

女性が作っているという甘唐辛子やかぼちゃ、冬瓜などの野菜は、収穫したらそのまま畑の脇で直売。

とれたての赤ピーマン5個で100円、袋一杯のシシトウも甘唐辛子もほぼ全てが100円。常連さんとのおしゃべりも楽しそうです。

武蔵村山市は、このような直売所が55か所もある地産地消の街

(提供:武蔵村山観光まちづくり協会)

埼玉につながる丘陵地では「東京狭山みかん」の生産もさかんで、10月から市内7か所の農園でミカン狩りが始まる予定です。

東京で唯一「鉄道のない市」

自然豊かで、新鮮野菜も安い、しかも家賃も安い武蔵村山市。
一戸建ての家賃相場は8万7000円、マンションでは2LDKで7万6200円と、港区(35万4900円)の5分の1です。(※「不動産サイト・アットホーム」2024年9月発表)

「都内で家賃相場が安いランキング」では1位なのですが、一方「都内の住みよさランキング」では最下位。(※「都市データパック2024年版」住みよさランキング2024より)

「仕方ないかなと。妥当って感じです」と話す市内の高校生に理由を聞くと…

男子高校生:
「駅もないんですよ!隣町の駅に行くまでに自転車とバスとか乗って行く」

そう、武蔵村山市は東京都で唯一「鉄道がない市」。電車のかわりにコミュニティバスを含め都営バスなど、4つの路線バスが生活を支えています。

さらに“市民の足”となっている変わった乗り物に遭遇!

THE TIME,マーケティング部 原千晶部員:
「なんですかね?ちょっと自転車みたいな乗り物ですけど」

原部員の前を通り過ぎていったのは、トゥクトゥクのような乗り物。自転車の前方に屋根付きのシートがあり、そこに客を乗せて走っています。
追跡すると、近くの商店街に停車。運転していたのは商店街のスタッフでした。

乗客の男性:
「これは送迎自転車。商店街に電話して迎えに来てもらったの」

男性が暮らす村山団地では65歳以上の人が約6割。そこで商店街が80万円かけて送迎用の自転車を作り、買い物が大変な高齢者のために自宅との送迎サービスを“無料”で行っているのです。

乗客の女性:
「助かりますよ。荷物をシルバーカートに入れても重たいから。すごくね、みんないい人だから。チップあげても取らないから、内緒でちょっとポケットにいれてやったりね」

ついに鉄道が!…それでも素直に喜べないワケ

そんな鉄道のない武蔵村山市ですが、「多摩モノレール」の延伸計画が!

小田急線と京王線が乗り入れる「多摩センター駅」や、JRに連絡する「立川北駅」などがある多摩モノレール。2030年代に延伸され武蔵村山市を横断する予定だといいます。

ただ、武蔵村山市には“鉄道100年おあずけの歴史”が…。
過去何度も計画されるも、不況や鉄道会社の倒産など不運に見舞われ、計画は頓挫していったといいます。なので市の担当者も「まだ決定ではなくて、決定するための手続きを進めていっている段階」と慎重な言い回し。

しかし今回は東京都の都市計画にも入っているため、「モノレールが延伸すれば、今まで気づいてもらえなかったけど、良いところだねって住んでもらえるのでは」と期待を寄せています。

市民が推す「武蔵村山市のトップ4」

鉄道で注目が高まる武蔵村山市の一番の魅力は?
統計学の専門家に聞いたところ、市民7万人のうち68人に聞けば、「信頼水準90%」のデータが取れるということで、リアル68人に聞きました!

「東京都武蔵村山市のトップ4」、4位は…本社があります。

武蔵村山市民:
「工場があって、直売所でしか買えない不揃いの形のものが大容量で売っている」

1960年からのロングセラー、歌舞伎揚げを生んだ『天乃屋』。本社が武蔵村山市にあり、工場直売所では、製造過程で出る「こわれ歌舞伎揚」が人気です。

通常一袋11枚入りで291円(※番組調べ)ですが、「こわれ」は量が3割増しで200円!かなりオトクです。

続いて3位は…市外からも多くの人が訪れる味です。

武蔵村山市民:
「かてうどん最高!」

『村山かてうどん』ー「かて」とは、うどんに添えられる野菜のこと。冷たい極太麺を温かいつけ汁に浸し、ほうれん草や季節野菜の揚げ物などと一緒に食べるソウルフードです。

口に入れると小麦の香りが広がる極太の麺は、時間がたってもコシが失われない知恵。伝統の味を守り続ける『村山満月うどん』の女将、比留間麻里さんは「うどんに惚れて嫁に来ちゃった」というほどイチオシの武蔵村山グルメです。

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