ユーロ圏の金融政策を担う欧州中央銀行(ECB)=独西部フランクフルトで2017年10月27日午前、三沢耕平撮影

 欧州中央銀行(ECB)は12日、定例理事会を開き、主要政策金利の引き下げを決めた。ECBは6月会合で約4年9カ月ぶりに利下げに踏み切っている。金融緩和のアクセルをさらに踏んだことで、経済の下支えに軸足を置く「利下げサイクル」に入ったことがより鮮明となった。

 民間銀行が資金を借り入れる際の主要金利を0・6ポイント引き下げて3・65%とする。民間銀行が資金を預ける際の中銀預金金利も従来より0・25ポイント低い3・5%とした。

 欧州連合(EU)統計局によると、ユーロ圏20カ国の8月の消費者物価上昇率は2・2%。7月の2・6%から縮小し、ECBが目標とする2%に近付いている。一方、4~6月の実質域内総生産(GDP、季節調整済み)は前期比0・2%増にとどまり、経済の減速懸念が強まっている。

 ECBは物価上昇(インフレ)抑制のための金融引き締め路線から、経済を下支えする緩和路線に転換しており、9月会合でもこの流れを踏襲した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)も17~18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で2020年3月以来となる利下げに踏み切ると市場は見ており、米欧が金融緩和で足並みをそろえることになりそうだ。【ブリュッセル岡大介】

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