佐賀鉄工所が新工場を建設する「新産業集積エリア唐津」の用地=佐賀県提供

 ボルト製造大手「佐賀鉄工所」(佐賀市)は佐賀県唐津市厳木町の工業団地「新産業集積エリア唐津」に新工場を建設し、佐賀工場を移転させる。23日に同社などが発表した。唐津工場(仮称)は電気自動車(EV)向け新製品などの生産拠点とする。同社は2025年8月に着工し、27年4月の操業開始、30年3月の移転完了を目指す。

 同社は1938年創立の自動車用高強度ボルトの国内トップメーカー。創業の地に建つ本社工場の佐賀工場(佐賀市神園1)は老朽化が目立ち、敷地も手狭となっていた。移転後は更地にするが現時点での活用法は未定。

 唐津工場の敷地面積は11・1ヘクタールで工場の延べ床面積は3万平方メートル。投資額は約75億円。

 山口祥義知事は「グローバルに拠点展開されている企業が、将来の成長基盤を担う拠点として佐賀を選ばれたのは大変誇らしい」とのコメントを出した。

 「新産業集積エリア唐津」は県と唐津市が共同で整備し2011年に分譲を開始。「これまで年に数件引き合いはあったが、条件が合わなかった」(県企業立地課)ため、進出企業はなかった。

 約13年で初めてとなった佐賀鉄工所は、第1期分の用地を一括購入した。県と唐津市は第2期分譲分として土地18・8ヘクタールも既に確保している。【西脇真一】

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