業務の合間に仲間とラジオ体操で汗を流す日本航空グループ社員ら=千葉県成田市で2024年8月28日午後1時45分、合田月美撮影

 仲間と楽しみながら健康増進に努めてもらおうと、日本航空が職場でのラジオ体操を後押ししている。成田空港では「本気の! ラジオ体操」講座が月1回開かれ、専門トレーナーの指導でグループ社員が気合の入った体操で汗を流している。【合田月美】

 「胸を開いて。息を吸って――」。同空港・日航オペレーションセンターの1階ホールで8月下旬の午後、担当トレーナー、黒鳥伸子さん(63)のかけ声が響いた。整備スタッフや地上旅客係員などさまざまな部署のグループ社員たちが制服のまま、かけ声に合わせて元気に体を動かした。

 日航人財本部ウエルネス推進部に所属する黒鳥さんは、2013年に部として社員の健康増進活動を始める際、「誰でも親しみがあるラジオ体操なら毎日無理なく続けられる」と提案し、これまで普及に取り組んできた。講座ではラジオ体操に組み込まれている12の運動のうち、毎回二つずつ取り上げて目的や効果、こつを指南する。この日は、体を斜め下に曲げて胸を反らすラジオ体操の9番目の動きと、体を回す10番目を指導。「左足のつま先に両手を持っていく。この時ひざは伸ばしたまま」などとマイクを使わず大声で解説しながら実演した。前屈する場面ではうなり声を上げる参加者も。

 シフト作成などで一日中パソコンに向き合っているという槫林(くればやし)諭美さん(26)はこの日、初めて参加。終了後「硬く凝っていた心身がほぐれた」と笑顔を見せた。

 黒鳥さんは「空港の仕事にはいろいろな動きがある。全身を使うラジオ体操はけがをしない準備運動としても理にかなっている」と説明する。日航では職場ごとに簡単な指導ができる「アドバイザー」も養成して一層の普及に努めている。

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