決算説明会に出席したニデックの永守重信代表=24日(オンライン会見の画面から)

ニデックの永守重信・グローバルグループ代表は24日の決算説明会で、令和7年3月期の業績予想について「かなり保守的だと感じるが、(新社長らが)それでやりたいと決めた。きっちりと後継が進んでいるということだ」と述べた。

23日に発表した7年3月期の業績予想は売上高が前期比2・2%増の2兆4千億円、最終利益が31・6%増の1650億円となっている。永守氏は「私は事業計画にまったく参画していない」とし、「今期は絶対に未達はできない」と強調した。

背景には電気自動車(EV)用のモーターシステム「イーアクスル」での誤算がある。同社はイーアクスルを次世代の「柱」として中国でのシェア拡大を図ってきたが、EVの価格競争に巻き込まれて収益性が大幅に悪化。「作れば作るほど赤字」と永守氏が話すように、ここ数年業績を引き下げる要因となっていた。

岸田光哉社長兼最高経営責任者(CEO)は昨年10月に中国でのイーアクスル事業を収益性重視に転換したことを踏まえ、「業績に大きな影響を与えるインパクトはもうないと確信している」と説明。その上で「優先順位の第1位は信頼を回復すること」と述べ、計画の必達に重点を置くとした。

一方、岸田氏は今後の成長分野として人工知能(AI)関連のデータセンター向け水冷機器を挙げ、「高い加工技術が要求される製品で、われわれはノウハウを持っている。第1四半期(4~6月)中に月産台数を10倍に拡大する」とした。

同社は新体制での12年度までの中長期の計画を検討中で、第1四半期決算の公表時に発表する予定という。(桑島浩任)

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