経済産業省=東京都千代田区

企業が先端技術を海外に持ち出す際の技術流出や軍事転用を防ぐため、経済産業省は24日、外為法の省令改正を行い、事前報告を義務付ける方針を発表した。今夏にも省令改正を行う。従来も先端技術の持ち出しは規制されていたが、近年は技術流出のリスクが高まっており規制を強化する。

日本が優位性を持つ技術について、企業が海外への工場建設や供与を行う場合に、国への事前報告を新たに義務付ける。報告に際して国は、企業が中核技術を日本に残しているか、撤退時に技術を現地に残さない措置を講じるかなど、流出防衛策について確認する。

規制には武器や原子力など15項目について規制リストにまとめ、経済産業相の許可が必要と定めた「リスト規制」と、リスト外で用途や売り先によっては許可を必要とする「キャッチオール規制」の2種類がある。今回はキャッチオール規制を強化する。

国と企業の対話の場も設ける。企業が現地企業と合弁する場合などに備え、国側は相手企業の動向など、培った知見をもとに懸念される情報を伝える。これらのプロセスを経ても技術流出による安全保障上の懸念がぬぐえない場合には、経産相の許可を必要とさせる。

新規制対象の技術は今後、企業や業界団体と話し合って絞り込む。民生利用が目的であっても、軍事転用が可能な先端的な技術や素材を想定している。定期的に見直しを重ね、段階的に拡大させる。

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