ことし収穫量が大きく減ったサクランボについて、県は収穫量に影響する「双子果」の発生を抑えるため、今の時期の高温対策として遮光・散水などの実証事業を行っている。

この実証事業は、県が8月上旬から、県内31のサクランボ畑で行っているもので、きょう(5日)メディア向けに公開された。

ことしの県産サクランボは、高温の影響で収穫量が平成以降で2番目に少ない8700トンとなる見通し。
なかでも収穫量を減らす1つの要因となったのが、実がくっついた「双子果」。去年の夏、花芽が出る時期に気温が高かったことが原因で、ことし多く発生した。

今回の実証事業の1つが、雨よけハウスの上に「遮光資材」を被せるもの。
過去の実験では、遮光率45%以上の資材を使うことでハウス内の温度を下げ、双子果の発生を抑える効果があることがわかっている。
その一方で、花芽が小さくなり結実や品質が悪くなる傾向もあったという。

そのため今回は、斜光率が45%の資材に加え25%のものも使い、双子果の発生を抑えつつ、より良い品質にする方法を探る。
また今回は木の上から水をまき、ハウス内の温度を下げた場合の効果も調べる。

(県園芸大国推進課・伊藤祐幸課長補佐)
「サクランボは山形県の代名詞でもある。農業以外の産業にも波及効果がある品目なので支援していきたい。実証の結果をとりまとめ、効果を対策マニュアルなどにまとめて県内の生産者に周知していきたい」

県は遮光資材や散水設備の導入支援など、サクランボの高温対策を含む補正予算案を県議会9月定例会に提出する予定。

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