4日の東京株式市場で日経平均株価(225種)が急落した。終値は前日比1638円70銭安の3万7047円61銭。下落幅は今年3番目の大きさで、終値としては8月15日以来、約3週間ぶりの安値水準となった。前日の米国市場が大幅安となり、日経平均への影響が大きいハイテク株を中心に売りが広がった。
世界経済に大きな影響力を持つ米国の景気後退懸念が強まったことが株価急落のきっかけとなった。3日発表の米製造業の景況感指数が市場予想を下回り、米主要株価指数がそろって下落。特に半導体大手エヌビディアは前週末比で10%近くも値を下げ、ハイテク株中心のナスダック総合指数は3・26%の大幅下落となった。
東京市場も米株安の流れを引き継ぎ、取引開始直後から半導体関連を中心に幅広い銘柄で売りが先行。午後に入ると、下げ幅は一時1800円を超えた。また、米長期金利の低下を受けて4日の外国為替市場では、円相場が一時1ドル=144円台まで円高・ドル安が進み、輸出関連銘柄が売られる要因となった。
米景気の先行きを判断する上で大きな材料となる8月の米雇用統計が6日に発表されるのを前に、投資家の警戒感は強まっている。雇用者数の伸びや失業率の改善が市場予想を下回れば、景気後退懸念が強まってドルや米国株が売り込まれ、日本株への下落圧力が高まる可能性がある。反対に労働市場の堅調さが確認されれば、ドル高・株高が進むと予想される。
市場関係者は「(米雇用統計の結果は)米経済が景気後退に陥らずにソフトランディング(軟着陸)できるかどうかの試金石になる。結果次第では大きく値動きしそうだ」と身構える。
日経平均は米株高などを追い風に7月11日に終値として初めて4万2000円台を付け、史上最高値を更新したが、米景気後退懸念から8月5日に過去最大の下げ幅(4451円安)を記録。3万1000円台まで値を下げた後、8月中旬には3万8000円台まで回復するなど、荒い値動きが続いている。【成澤隼人】
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