一時1400円以上値下がりした日経平均株価を示す電光掲示板=東京都中央区で2024年9月4日午前10時1分、宮武祐希撮影

 4日午前の東京株式市場の日経平均株価(225種)は急落した。前日のニューヨーク市場での大幅反落や円高進行を受けて、ほぼ全面安の展開となり、前日終値からの下げ幅は一時1500円を超えた。

 3連休明け3日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均は前週末比626・15ドル安の4万936・93ドルで取引を終えた。

 3日発表の米製造業関連の経済指標が市場予想を下回ったことで「米経済が想定以上に減速している」との懸念が広がり、幅広い銘柄が売られて下げ幅は一時700ドルを超えた。業績好調の半導体大手エヌビディアが10%近く下落するなど、ダウ平均構成銘柄以外でも売り注文が膨らんだ。

 この流れを引き継ぎ、東京市場の日経平均株価も大幅に下げ、午前11時現在は前日終値比1289円10銭安の3万7397円21銭。半導体関連など日経平均株価への影響が大きい銘柄の下落が目立った。

 株価急落は、4日午前の外国為替市場の円相場が一時1ドル=144円台となるなど円高・ドル安が進行したことも要因になった。米景気の先行き懸念から米国債の利回りが低下し、日米金利差の縮小が意識されたほか、投資家のリスク回避姿勢が強まり、ドルを売って円を買う動きが広がった。

 米景気の先行きを巡っては、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が8月下旬の講演で、金融引き締めの長期化による雇用悪化に警戒感を示すなど懸念も強まっている。「疑心暗鬼となった投資家が経済指標に一喜一憂し、株価が過剰に動く」(米アナリスト)展開になっており、当面は不安定な値動きが続きそうだ。【井口彩、ワシントン大久保渉】

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