(ブルームバーグ):日本の債券市場は10年以上にわたる急激な金融緩和によって投資家の積極的な売買意欲が減退、依然として機能不全に陥っているものの、持続的な改善の兆しが見えつつある。

日本銀行が2日に公表した8月の債券市場サーベイによると、回答者の26%が債券市場の機能度は低いと答えたのに対し、高いと答えたのは3%だった。その結果、両者の差を取った機能度判断DIはマイナス23となり、5月に行われた前回調査のマイナス24から改善、2年以上ぶりの高水準となった。

この調査の回答期間は8月1-7日。日銀が7月31日に国債買い入れ額の削減計画を発表した後で、円資金によるキャリートレードの巻き戻しが世界の金融市場を動揺させ、債券市場が不安定な時期に行われた。日銀が7月末に利上げを実施した直後でもあり、金利引き上げはないと予想していた多くのトレーダーを驚かせた。

三菱UFJアセットマネジメント戦略運用部の加藤章夫シニアマネジャーは、日銀が国債買い入れ減額計画を示したことで、市場オペーションについて「かなり透明性が確保できた」と指摘。「サーベイ期間中は市場が相当混乱していてさほど売買もされていなかった」ため「期待が先行している」のではと述べた。

この四半期調査は参加者に対し、ビッド・アスク・スプレッド、取引の頻度や量について質問している。

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