米沢市の栗子山で進む風力発電事業について、地元自治体からの強い“反対表明”として、米沢市の近藤市長が事業者に対し「計画の白紙撤回」を申し入れたことを明らかにした。

国の天然記念物のイヌワシが生息する栗子山では、JR東日本エネルギー開発が高さ168メートルの大型風車を最大10基設置する計画を立て、去年9月、環境影響評価準備書を示し、事業を推し進めている。

これに対し、猛きん類の専門家や日本イヌワシ研究会などは「事業者側が行った生息調査は極めて不適切」として中止を求め、県環境影響評価審査会も7月、「希少生物の保全対策について不十分な点が多い」と指摘していた。
これを受け吉村知事は8月26日、「事業の取り止めも含め抜本的な事業計画の見直し」を行うよう求めていた。
そしてきょう(30日)…。

(米沢市・近藤洋介市長)
「事業の全面白紙撤回を求める申し入れをいたしました」

緊急に開かれた会見で近藤市長が求めたのは、「計画の見直し」ではなく、計画自体を「白紙撤回すべき」という強いものだった。
その理由として近藤市長が一番に挙げたのは、「不十分な説明」が繰り返されたことで生じた“不信感”だった。

(米沢市・近藤洋介市長)
「市民に対する説明・情報公開に対する姿勢、米沢市・米沢市民との協力関係・信頼関係を構築する意思に欠けていると考えざるを得ない」

市長の申し入れを受け、JR東日本エネルギー開発はさくらんぼテレビの取材に対し、「突然このような申し入れがなされたことに驚いている。地域のみなさまに不安が広がっている現状を重く受け止め、引き続き理解いただけるよう取り組んでいく」とコメントしている。

日増しに強まる「反対」の声。米沢市はJR東日本エネルギー開発・松本義弘社長に対し、申し入れに対する回答を速やかに行うよう求めている。

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