(ブルームバーグ):資産家クリス・エリソン氏が率いるオーストラリアの鉱山会社ミネラル・リソーシズでは既に在宅勤務が禁止されているが、今後はコーヒーを買いにオフィス外に出ることもできなくなりそうだ。

ミネラル・リソーシズの最高経営責任者(CEO)であるエリソン氏は29日、「従業員を一日中拘束しておきたい」と発言。「オフィスビルから外に出てもらいたくない。コーヒーを買いに外出するのも望ましくない。それが会社にどれだけの損失をもたらすか、われわれは数年前に学んだ」と述べた。

エリソン氏は、2年前にパースに設立した本社で働くことの利点を強調。この本社はカフェやレストラン、ジム、託児所、瞑想(めいそう)室、ウェルネスセンターを備えている。従業員はそのオフィスビルで「働くことを非常に楽しんでおり」、ビル内の施設により「従業員はオフィスから離れられなくなっている」とエリソン氏は語った。

同氏は決算発表後のアナリストとの電話会見で、「在宅勤務禁止が私の方針だ」とし、「皆もそれに賛同してもらいたい。早ければ早いほど良い」と語った。エリソン氏の発言は、会見記録に基づく。

「週3日働いて週5日分の給与を受け取るなどというのはあり得ない」とエリソン氏は述べた。

オーストラリアではホワイトカラー職の在宅勤務は標準となっており、エリソン氏の方針は異例だ。多くの企業は従業員が少なくとも週に2日はリモートで働くことを認めている。

多忙な仕事と育児の両立に苦労する従業員に対しては、外部の託児所を利用した場合1日当たり約180豪ドル(約1万7800円)かかるが、社内の託児所はわずか20豪ドルだとエリソン氏は述べた。

原題:Mining Billionaire Who Banned Work From Home Targets Coffee Runs(抜粋)

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