台湾版のメルカリサイト=東京都港区で2024年8月29日午後0時21分、古屋敷尚子撮影

 フリーマーケットアプリ運営のメルカリが、越境EC(電子商取引)に力を入れている。8月1日に米国、29日には台湾への進出を発表。現地版のメルカリサイトを立ち上げ、日本から出品された商品を購入しやすくした。海外では、日本の漫画やアイドルなどの「推し活」グッズ、中古ブランド品の人気が高く、日本からの出品数増加につなげたい考え。

 これまでも日本からメルカリに出品された商品は120カ国・地域で、外部のEC事業者の購入代行サイトなどで探したり、購入したりすることができた。しかし、他の商品などと混在しているため、購入者の目に留まりづらかった。

 新たにメルカリ独自の「米国版」「台湾版」のサイトを開設したことで、購入者が見つけやすくなり、販売数の増加が期待できるという。国際発送にかかる送料などは購入者が負担するため、出品者が負担する手間や費用は変わらない。

「越境ECを拡大していきたい」と語るメルカリの迫俊亮執行役員=東京都港区で2024年8月29日午後0時11分、古屋敷尚子撮影

 経済産業省の調査では、2021年の世界の越境EC市場は推計7850億ドル(約113兆円)で、30年には約10倍に拡大する見通し。

 動画配信の拡大などにより、日本のコンテンツが海外でも視聴できるようになり、海外に住む人たちにとって、日本での暮らしや商品が身近なものになっている。

 メルカリでは近年、海外向けに缶バッジ▽CD▽アイドルグッズ――など推し活グッズが売れており、ブランド品や日本製カメラなどの中古品も良好な状態のものが多いため、人気が高いという。

 執行役員の迫俊亮氏は「現状より販売価格を上げても売れる可能性が高く、『この価格なら出品しよう』と捨てていた物を出品する人が増え、市場が活況になると見込んでいる」と期待を述べた。【古屋敷尚子】

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