牛丼チェーンの吉野家は“ダチョウ肉”を使った「オーストリッチ丼」の販売を開始しました。価格はスープ付きで1683円です。“牛丼一筋”からの脱却を図る狙いとは?

吉野家HD 河村泰貴社長
「本日、吉野家HDはダチョウつまりオーストリッチに関する事業を本格的に開始することを発表します」

吉野家が発表したのは、大手牛丼チェーンとして初めてダチョウ肉を使った丼ぶり。その名も「オーストリッチ丼」です。

きょうから一部の店舗で6万食限定で販売されます。

ダチョウ肉はグループ会社が運営する茨城県内の農園で飼育している国産です。飼育数は日本最大規模の500羽を誇ります。

特徴は鳥の肉としては珍しい赤身肉です。気になるその味は…

記者
「臭みもなく、とても柔らかくて食べやすい。味もまさにローストビーフのような味で、とてもヘルシーで美味しいです」

ダチョウ肉は低脂肪で高たんぱくだといいます。

価格はダチョウの骨で作ったコラーゲンたっぷりスープもついて1683円(税込み)。

なぜダチョウ肉なのでしょうか?

吉野家HD 河村泰貴社長
「吉野家の歴史は牛肉の情勢に左右されてきた歴史ということ。例えば20年前と比べても仕入れている牛肉の価格は2倍3倍という価格になっているので非常に危機感を持っている」

背景にあるのは世界人口の増加による食糧不足の懸念です。食肉の供給バランスが崩れ、早ければ2030年には十分なタンパク質がとれなくなる「タンパク質クライシス」に陥る可能性も。

こうした中、吉野家は10年ほど前からダチョウ肉に注目し、商品開発を進めてきました。長年ダチョウを研究してきた研究員は牛の4分の1程度で育つ飼料効率が魅力だと話します。

吉野家HD素材開発部 黒川眞行主席研究員
「餌も非常に少ない量で大きくなるっていう、そんなところがありまして、穀類の消費を抑えるっていう意味でも非常にメリットがある」

今後のダチョウの可能性に社長は…

吉野家HD 河村泰貴社長
「スーパーマーケットに行けば牛肉、豚肉、鶏肉の横にオーストリッチ(ダチョウ)が並んで、レストランに行けばヘルシーで美味しい選択肢としてオーストリッチ(ダチョウ)メニューが並んでいる。人々の暮らしの中に普通に自然にオーストリッチ(ダチョウ)関連商品が溶け込む未来を作っていきたいと考えている」

牛・豚・ニワトリに続く“第4の肉”として白羽の矢が立ったダチョウ。「タンパク質クライシス」解決の救世主となるのでしょうか。

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