発行された新紙幣=東京都中央区で2024年7月3日午後1時1分、猪飼健史撮影

 ポイントサイト「モッピー」を運営するIT企業「セレス」(東京都渋谷区)はこのほど、新紙幣(日本銀行券)に関する調査を実施した。発行から1カ月で新紙幣を手にした人の割合は果たして――。

 新紙幣の肖像は1万円札が実業家の渋沢栄一、5000円札が津田塾大創始者の津田梅子、1000円札が日本の近代医学を切り開いた北里柴三郎。2004年11月以来、約20年ぶりの新紙幣で、7月3日に発行を始めた。

 調査結果によると、新紙幣を手に取った経験がある人は全体で56・3%。40代女性が67・2%で最も高く、次いで50代女性の66・7%。最も低いのは20代男性の43・9%だった。

 「新紙幣へ関心があるか」を尋ねたところ、全体の55・7%が「関心がない」(「ない」と「どちらかといえばない」の合計)と答えた。30~70代は「関心がない」が多数派だったが、20代は「関心がある」(「ある」と「どちらかといえばある」の合計で49・7%)と「関心がない」(計50・3%)が拮抗(きっこう)した。

 「20年後の決済(手段)はどうなっていてほしいか」についても聞いた。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済といったデジタル決済が「今以上に普及してほしい」と回答したのは全体で55・7%。「今と同じレベルでデジタル決済が普及している状態を希望」は38・8%、「紙幣や硬貨による決済が主流になってほしい」は5・6%だった。

 男女別では、男性の「デジタル決済推進派」(61・9%)が「現状の決済維持派」(31・9%)を大きく上回ったのに対し、女性はデジタル推進派(49・5%)と現状維持派(45・6%)の差が小さかった。

 セレスの広報担当は「20代にとっては初の新紙幣であったことから、他の年代に比べて関心が高まった可能性がある」と指摘。一方で、20代男性で実際に新紙幣を手に取った人の割合が他より少ない点については「キャッシュレス化がより進んでいるのではないか」と話した。

 調査は8月9~13日、モッピーの会員に対してインターネットで実施した。20歳から92歳までの男女計2160人から回答を得た。【後藤豪】

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