物価高で値上がりが続き白物家電の販売が落ち込む中で、売り上げを伸ばす“家電トレンド”が3つあるといいます。
それは、“お得”な「公式中古」「一芸家電」と“生活を変えちゃう”「ステルス家電」。家電の業界紙が推す、イマ話題の家電とは。

家電トレンドは「公式中古」「一芸」「ステルス」の3つ

今注目の家電をリサーチするためにまず向かったのは、『家電Biz』編集部。創刊50年、めまぐるしく変わる日本の家電業界を調査し続ける業界紙です。

「美容男子のつもりはないんですけど、よく言われます」

こう話すのは、爪にかわいいネイルを施した入社18年目の得平佑さん。
最近買った家電は4万円越えのドライヤーだといいます。

物価上昇の影響は家電にも。

円安で材料費も高騰し、今から10年ほど前に平均価格が6万3000円(2015年度・税抜)だった洗濯機はこの7年間で、9万円(2022年度)に。エアコンは9万4000円→10万5000円、冷蔵庫は8万7000円→10万4000円と、白物家電は、のきなみ値上がりしているんです。
(※GfKジャパンより 2015年度と2022年度比較の税抜き平均価格)

その影響でドライヤー以外、冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器やエアコンなど、ほとんどの家電は売れる数が減っているといいます。

大手メーカーも参入!お得で安心「公式中古」

そんな中、今注目されている“お得な家電トレンド”が1つが、「公式中古」です。

「公式中古」とは、メーカー公式の中古家電のこと。4月からはパナソニックも中古事業を拡大しています。

『家電Biz』得平佑さん:
「(新品の)2割から3割安く買える。(中古でも)メーカーがしっかり責任を持って行っているので安心感があります。」

公式中古の魅力は、“新品に近い”ことも。
中古といっても、誰かが使い古したものではなく、販売後すぐに不具合があった製品を引き取り整備し、割安でオンライン販売しているんです。

パナソニックの公式中古のサイトを見てみると、洗濯機に冷蔵庫、テレビやカメラなど様々な商品があります。

例えば、定価が約24万円(※番組調べ)のドラム式乾燥機は、税込19万900円。5万円もお得なんです!ちなみに1年間の保証も付いています。

この公式中古はAppleをはじめ日立でも行っていて、今後さらに広がりそうだといいます。

機能も値段も“絞った”「一芸家電」がアツい

続いての業界紙が推す“お得な家電トレンド”は、「一芸家電」。

注目される背景には、最近の“進化しすぎた家電”があると得平さんは指摘します。「不要な機能が多すぎるという人もいるので、機能をしぼってシンプルにして、値段もちょっと下げた一芸家電が人気」

そして、その「一芸家電」で今、アツいメーカー!それは

『家電Biz』得平佑さん:
「どこにもない家電を作っている、世界最小の家電メーカー、サンコーです」

2003年に通販サイトから始まり、今や秋葉原を拠点に年商30億円超えるサンコー。2023年からは横浜のエディオンに「サンコー専門コーナー」が設置されるほどに。

その魅力は“大手では絶対やらない”ニッチな需要に特化した「一芸家電」。

袋麺を、最高に美味しくつくる事だけに特化した電気鍋(「シメまで美味しい 俺のラーメン鍋」7980円※税込)をはじめ、トイレの水面にモコモコの泡を発生させ、飛び跳ねを防ぐマシーン(「後付けトイレバブルクッション あわらく」9800円※税込)まで。

さらには、パイ生地に具材を挟んで放っておくだけで、本格的なホールパイができちゃうパイメーカー(「自家製おかずパイメーカー」5480円※税込)なんていうのもあります。
どんなおかずでもパイにして手軽に美味しく食べられるというアイデア商品です。

店頭販売での人気も上々のようで…

エディオン横浜西口本店 的羽七瀬さん
「『ありそうでなかった』とか、『こういうのほしかった』という声は沢山いただいています」

こんな「独特な商品」は、どうやって思いつくのか?

実は、サンコーでは、働く社員・アルバイト合わせて55人全員が、新商品のアイデアを週に1回、社内掲示板に書き込むことがルールになっているんです。優秀なアイデアには、最大1万円のボーナスもでるんだとか。

こうして生まれた商品のなかで、今売り上げ1位なのが、体感温度が10℃下がるという「全身冷水スーツ」(1万9800円※税込)。

上半身のベストと太もも部分に巻くパーツで構成され、冷たい水がスーツ内を巡り全身を冷やすということで、外で作業する人の間で人気が高まっているそうです。

家電に見えない家電「ステルス家電」とは

さらに、業界紙が推す注目家電が、「ステルス家電」。
ステルス家電とは、家電の機能を隠し持った商品のこと。

電子レンジの機能がついたリュックサックや、家電の機能がついた家具など…。
「最近のマンションは小さいものが増えてきているので、(家具と)家電が1個になったほうが省スペースになる」ということで、ステルス家電のニーズが高まっているんだそうです。

ここ2年でヒットしたステルス家電をまとめたモデルルーム、ヤマダホームズ江戸川展示場に、 TIMEマーケティング部 原千晶部員が行ってみると、そこには一見普通のリビングルームが…。原部員も思わず「ここにステルス家電があるんですか!?」

あるんです。

まずソファーの前に置いてあるローテーブル…。その引き出しをひいてみると…そこには冷蔵庫が!

さらにテーブルの上にスマホを置くだけで充電してくれる機能や、USBポートやコンセントまで。さらにさらに「テーブルに、音量のマークがついてますよ!」
スピーカー機能までついているという、まさに座ったらもう動かなくていい多機能テーブル。(「SMART TABLE STB135」17万6000円※税込)

他にも空気清浄機付きのサイドテーブル(IKEA「STARKVIND スタルクヴィンド」2万4990円*税込)や自動で衣類のしわを伸ばしてくれるスチーム機能を搭載したクローゼット(Panasonic「スマートクローゼット」33万円前後※オープン価格)などもあるんです。

天井の照明だって、ただ照らすだけじゃありません。なんとプロジェクターになっちゃうという人気商品。(「Aladdin X2 plus」12万9800円※税込)

どれもこれも、インテリアに溶け込み、一見“家電”だとは思えないものばかり。家具と家電を一体化することで、確かに部屋もすっきりしそうです。

電子レンジ付きのリュックサックまで

スタジオでは、TIMEマーケティング部の原部員が電子レンジ機能を搭載したリュックサックを紹介。(「ウィルクック パッカブル」19,750円から)

リュックのポケットにペットボトルのお茶を入れてスイッチオン。約10分経って日向坂46の松田好花さんが出してみると…

日向坂46 松田好花:
「あ、ほんのり~ほんのり温かいです。人肌な感じです」

おにぎり1個なら30分でホカホカになるとのこと。

モバイルバッテリーで発電し、温めだけでなく保冷の機能もついているとのことで、原部員が「アウトドアなどにも活用できる」と話すと、宇賀神メグアナウンサーからは「災害時には赤ちゃんのミルクにも使えそう」との期待の声も上がった。

(THE TIME,2024年4月23日放送より)

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