米連邦準備制度理事会(FRB)本部=米ワシントンで、清水憲司撮影

 米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、8会合連続で政策金利の据え置きを決めた7月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。物価上昇(インフレ)の鈍化と雇用情勢の悪化を受け、大半の参加者が次回9月会合での利下げが適切になるだろうとの見方を示していた。

 議事要旨によると、参加者は「インフレ率が安定的に(FRBが目指す)2%に向かって下がっているとの確信を深めた」との見解で一致。失業率の上昇など経済の下振れリスクが高まっていることから、大半の参加者は「予想通りの指標が続けば、次回会合での金融緩和が適切になるだろう」との見解を示した。

 7月会合では全会一致で政策金利の据え置きを決めたが、数人の参加者は「今会合での0・25%の利下げを支持することもできた」と述べていた。

 FRBはインフレ抑制のため2022年3月以降、急ピッチで利上げを実施。利上げは23年7月で打ち止めにし、利下げに転じるタイミングを探っている。

 7月の米消費者物価指数は前年同月比2・9%と3年4カ月ぶりに2%台に下落。一方、同月の米失業率は4・3%と21年10月以来の水準に悪化していた。【ワシントン大久保渉】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。