JR九州本社=福岡市博多区で2020年6月、石田宗久撮影

 JR九州は20日、利用者が減少している在来線の2023年度線区別収支を公表した。対象は輸送密度(1キロ当たりの1日平均乗客数)が2000人未満の13路線18区間で、営業赤字は総額約55億円に上った。18区間のうち自治体や鉄道事業者が要請して国が設置する「再構築協議会」の目安とされる輸送密度1000人未満は13区間だった。

 JR九州はローカル線の厳しい状況を沿線自治体などと共有するため、20年から線区別収支を公表している。23年度に営業赤字額が最も大きかったのは、日南線田吉(宮崎市)―油津(宮崎県日南市)の7億300万円。輸送密度が最も低かったのは日南線油津―志布志(鹿児島県志布志市)の179人だった。

 また、17年の九州北部豪雨で被災した日田彦山線添田(福岡県添田町)―夜明(大分県日田市)と久大線夜明―日田(同)を結ぶ「日田彦山線BRT(バス高速輸送システム)」の輸送密度を初めて公表。被災前の16年度より33人多い164人となった。【下原知広】

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