初の大規模改修のため休業していた長野県軽井沢町の「万平(まんぺい)ホテル」が一部の営業を再開し、1年半ぶりに客を迎えている。西川真司支配人は「今年創業130周年。明治から令和へと歩んできた。新しいけれど懐かしいと、感動していただける建物になった」と述べた。全面オープンは10月ごろを予定している。
ホテルは1894年に創業。老朽化したため工事していた。正面建物で、ホテルのシンボル「アルプス館」は1936年建築。国の登録有形文化財でもあり、できるだけ元の姿を残したという。
16日に再オープンしたのは、建て替えた「愛宕館」(客室30)と、「アルプス館」1階にあるメインダイニングルーム(126席)、カフェテラス(102席)、売店。9月24日から再び休業して、全面オープンの準備に入り、アルプス館2階(客室12)と碓氷館(客室44)も、秋に営業を再開する。
今後はインバウンド需要を高めたい考え。また年配者が中心の日本人宿泊客は、若者も増やしたいという。佐々木一郎総支配人は「休業前のスタッフを(別部署から)ぜひ戻したいと思い、実現した。以前と変わらず、お客様を迎えることができる」と話した。
時代と共に歩んできたホテルは、終戦から52年までは米軍が接収した。その後、作家の三島由紀夫ら日本人名士も宿泊したほか、72年には当時の田中角栄首相とキッシンジャー米大統領補佐官の会談の場になった。ザ・ビートルズのメンバーだったジョン・レノンが70年代後半、避暑の定宿としたことでも知られる。【去石信一】
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