(写真:saki/PIXTA)新たな取引先と一緒に仕事をし始める、異動や転勤により関わる社内メンバーが一変するなど、仕事における人間関係が大きく変わる4月。知り合ったばかりの相手との距離感をつかみかね、日々のコミュニケーションで神経をすり減らしているという方も多いのではないでしょうか。また昨今のビジネスにおいて欠かせないのが、チャットツールを使ったやりとりです。時間や場所に関係なく連絡できて便利な一方、顔の見えない相手とのチャットに不安やモヤモヤを感じながら仕事をしていると、仕事や生活の質が下がってしまう可能性も。7.9万のXフォロワーを擁し、人間関係や生きづらさにまつわる著作を生み出してきた心理カウンセラーのPoche氏は、「チャットなどのSNSを使っていて感じるモヤモヤは、あなたのせいではない」といいます。そこで今回は同氏の著書、『SNSのモヤモヤとの上手なつきあい方』より、仕事におけるチャットのやりとりで必要以上に不安にならないための考え方を一部抜粋してお伝えします。

絵文字やスタンプのないメッセージがくると不安

絵文字やスタンプのないメッセージが届くと、「自分が何かしたのだろうか」「怒らせてしまったのだろうか」と、不安になる人が増えています。

でも実は、みんなが不安になるわけではありません。

絵文字やスタンプがなくても、全く気にならない人もいます。……とお伝えすると、気になるのが悪いことで、気にしないのがいいことのように聞こえるかもしれませんが、そんなことはないのですよ。

気になるかどうかの差は、普段から絵文字やスタンプを使うかどうか、さらにはどんな理由で使うかどうかだけです。性格や考え方のせいで、不安になるわけではありません。

不安になりにくいのは、普段から絵文字やスタンプをあまり使わない人たちです。

自分自身が基本的に使わないので、相手から文章だけのメッセージが届いても、なんとも思いません。

反対に不安になりやすいのは、普段から相手を気遣い、感情表現の1つとして絵文字やスタンプを使っている人たちです。

その人たちにとっては、絵文字やスタンプは感情表現の一つなので、絵文字やスタンプのないメッセージがくると不安になります。

笑顔一切なし、真顔で淡々と対応されているかのような、なんともいえない気持ちになるからです。

絵文字やスタンプがなくなっても大丈夫

例えば、相手が急に絵文字やスタンプを使わなくなると「冷たくなった」「怒っているのかな」と感じることがありますが、特に思い当たることがないのなら、あなたのせいではない可能性が高いです。

相手が忙しくて余裕がないだけのこともありますし、優しいあなたに八つ当たりしているだけのこともあります。

そのほか、親しくなったからこそ、絵文字やスタンプを使わなくなる人もいます。心理テクニックの一つとして、相手の気を引くために「あえて」そっけないメッセージを送る人もいます。

このように、絵文字やスタンプは、相手側の事情で使ったり使わなかったりすることがほとんどなのです。

だから、相手からの反応が冷たいと感じても、心配しないでおきましょう。

モヤモヤしたり不安になったりした時こそ、「不安になってしまうけど、私は何も悪いことをしていない」と自分自身に教えてあげてくださいね。

相手の機嫌まで、あなた一人が背負わなくても大丈夫ですよ。

社内チャットはすぐにレスしなければいけないのか

「時間や場所に関係なく、いつでもコミュニケーションを取れる」「リアルタイムでやり取りができる」「気軽に連絡し合える」これらは、会社側がチャットツールを導入するメリットとして挙げているものの一例です。

ですが最近では、チャットならではのメリットに苦しむ人が増えています。

例えば、時間や場所に関係なく、いつでもコミュニケーションが取れるからこそ、どこにいても、何をしていても気が休まりません。

リアルタイムでやり取りできるからこそ、すぐにリアクションしなければいけないと責任を感じることもあります。

気軽に連絡し合えるからこそ、自分も何か反応しなければとプレッシャーを感じることもあります。

厄介なのは、チャットツールが当たり前になっているからこそ、自分が感じている不満を周囲に打ち明けにくいことです。

勇気を出して打ち明けたところで、「それくらい」「みんなやってる」「どこも一緒」「我慢すべき」と否定的な意見が返ってくることも多いです。

そんなことを言われてしまうと、ますます辛くなってしまいますよね。

即レスのプレッシャーを和らげる方法

実際のところ、チャットにおける絶対的なルールというものは存在しません。

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即レスすべきだという人もいれば、1時間以内に返信すればいいという人、その日のうちに返せば十分だという人までさまざまです。緊急なら電話すればいいのだから、すぐに返事がなくても気にならないという人もいます。

もしも、会社内でチャットツールのルールが明確化されていないのであれば、マイルールをつくっておくことをおすすめします。

「自分への質問なら1時間以内に返信、それ以外は今日中に返せばOK」「既読しても、即レスしなくてOK」など、マイルールをつくっておくことで、すぐに返事をしなければというプレッシャーが和らぐからです。

会社にいる以上、チャットツールを使わないわけにもいかない……という人がほとんどなのではと思います。

「こうするべき」にとらわれすぎず、自分に無理のない使い方を見つけてみてくださいね。

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