(ブルームバーグ):米大統領選の共和党候補であるトランプ前大統領は8日、金利や金融政策について大統領が何らかの発言権を持つべきだと述べた。これは政治からの独立性を維持してきた米連邦準備制度の長年の慣行に反する動きとなる。

トランプ氏はフロリダ州パームビーチにある邸宅マールアラーゴでの記者会見で「私の場合、大金を稼いだ。私はとても成功した」と述べ、「そして多くの場合、連邦準備制度当局者や連邦準備制度理事会(FRB)議長になるような人たちよりも、私は直感に優れていると思う」と語った。

同氏は行政府が金利に関して影響力をもっと持っていないことへの不満をたびたび表明している。8日には、パウエルFRB議長が金利を動かすのは「少し早過ぎたり、少し遅過ぎたりする」と批判した。

トランプ前米大統領

パウエル議長は政治的圧力が米金融当局の意思決定に影響を及ぼさないようにすると明言している。1970年代後半以来、歴代大統領は伝統的に、金利を巡り連邦準備制度を公に批判したい誘惑に耐えてきた。

米金融当局はインフレを抑制するため、2023年7月以来、政策金利を二十数年ぶりの高水準に維持してきた。しかし、労働市場が軟化し、特に7月の失業率が4.3%に上昇したことで、エコノミストからは、当局が利下げで後手に回ったとの批判も出ている。

連邦公開市場委員会(FOMC)は、一部の州で期日前投票が始まった後の9月中旬に開く次回会合で利下げに踏み切ると現時点で広く予想されている。トランプ氏は選挙間近に利下げを行うべきではないとの考えを示しているが、選挙演説では大統領選で返り咲いた場合は低金利を望むと頻繁に述べている。

原題:Trump Wants Presidents to Have Some Say Over Interest Rates (1)(抜粋)

--取材協力:Maria Paula Mijares TorresHadriana Lowenkron.

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