(ブルームバーグ):6日の債券相場は下落が予想されている。世界同時株安でリスク回避の流れが続く一方、日本銀行の利上げ姿勢も意識され、円債先物の夜間取引は大幅反落した。国債利回りの急低下で投資家需要の減少も懸念され、この日の10年国債入札に対する警戒感が高まっている。
SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、金利はいったん反発すると予想する。「米雇用悪化懸念についてISM(供給管理協会)非製造業指数の雇用指数が50超まで反発したことは相場の落ち着きに寄与する」と指摘。円金利フォワードスワップ取引で「2、3年後も日銀の追加利上げが行われないような織り込みはやり過ぎだ」と述べた。
奥村氏は、10年債入札について「海外勢の需要やショートカバー需要で非常に強い結果になるリスクがある一方、この利回り水準で買いたい需要は非常に乏しいとみられ、ボラティリティーが高まっているので様子見姿勢が強まる可能性もある」と指摘した。
同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは0.72%~0.83%(5日は0.755%で終了)、先物中心限月9月物は145円00銭~146円30銭(同146円06銭)。
先物夜間取引で9月物は5日の日中取引終値比74銭安の145円32銭で終えた。
10年国債入札
・午前の375債利回りが表面利率の1.1%よりも0.3%超低い0.8%未満で推移した場合、利率が引き下げられた新発債が発行される可能性も
・発行予定額は2兆6000億円程度
■大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジスト
市場が日銀の積極的な利上げ姿勢と米景気懸念を織り込む最中に迎える入札
ボラティリティーが高く、流動性も著しく低下しており、最大限の警戒感を持って臨まざるを得ない
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