米連邦準備制度理事会(FRB)本部=米ワシントンで

 米連邦準備制度理事会(FRB)は7月31日、政策金利を5・25~5・5%に据え置くと決めた。一方、パウエル議長は記者会見で、早ければ次回9月会合で利下げに踏み切る可能性に言及した。物価上昇(インフレ)抑制と経済への悪影響のバランスを慎重に見極め最終判断する。

 金融政策を決める米連邦公開市場委員会(FOMC)を7月30~31日に開いた。金利据え置きは23年9月以来、8会合連続。

 FRBは声明文でインフレ抑制に向け「幾分かの進展があった」と明記。会合後の会見で、パウエル議長は「条件を満たせば最速で次回9月会合で利下げが検討され得る」と明言した。「委員会の大まかな見解として、利下げが適切な時期に近づいている」と述べ、利下げが近いとの認識が委員の間で共有されているとの見方を示した。

 一方、「インフレ率が持続的に2%に向かうとの確信が深まるまで利下げは適切ではない」と従来の見解を繰り返し、経済指標を基に利下げの是非を慎重に判断する考えも示した。

 6月の米消費者物価指数は前年同月比3・0%上昇で、ピークの22年6月(9・1%)から勢いが鈍化した。一方、同月の失業率は4・1%と21年11月以来の水準に悪化している。

 FRBは22年3月以降急ピッチで利上げを続け、23年7月の利上げを最後に金利を据え置いてきた。

 FRBが最後に利下げしたのは、新型コロナウイルス禍に伴う経済悪化を受け、ゼロ金利まで引き下げた2020年3月。次回9月会合で実際に利下げすれば、このとき以来4年半ぶりとなる。【ワシントン大久保渉】

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