(ブルームバーグ):米民主党の大統領候補になることが確実視されているハリス副大統領は、選挙戦開始からの1週間で2億ドル(308億円)の資金を集めた。ハリス氏に対する民主党支持者の熱狂ぶりが浮き彫りになった。資金獲得競争で優位に立つ共和党候補トランプ前大統領を追い上げる。

この数字はハリス陣営が28日に発表。広報責任者マイケル・タイラー氏は「記録的な献金額」だと述べた。全体の66%が今回の大統領選で初めての献金だったという。

ハリス氏は、大統領候補指名獲得を目指すと発表してから最初の24時間で8100万ドルの献金を集めていた。同陣営は、大統領候補が1日で集めた献金額としては史上最高額だとしている。

ハリス副大統領

こうした動きは、バイデン大統領の選挙戦撤退表明からわずか1週間で、いかに民主党や同党支持者がハリス氏支持で一枚岩となっているかを如実に示す。ハリス氏は指名獲得に十分な数の代議員を確保し、選挙戦を共に闘う副大統領候補を絞り込んでいる。 オバマ元米大統領夫妻も26日、ハリス氏を民主党大統領候補として支持すると正式に表明した。

6月27日に行われた第1回討論会で精彩を欠いたバイデン氏に対して撤退圧力が高まり、民主党内で不和が続いた中で、バイデン陣営の資金力には陰りが出ていた。

バイデン陣営は6月に調達した額の約93%を使い果たし、7月の手元資金は9600万ドルとなっていた。一方でトランプ陣営は6月に調達した額の46%しか使っておらず、1億2800万ドルを残していた。バイデン陣営は、討論会後の世論調査でトランプ氏優勢が示され、撤退を求める声が高まる中でも支出を続けた。

トランプ氏は共和党大口献金者へのアピールなどが奏功し、資金調達額がここ数カ月で急増。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、報道されている額よりも「はるかに少ないレベル」だが、トランプ氏の選挙戦を支えるスーパー政治活動委員会(PAC)に「いくらかの献金」をしていると認めた。事情に詳しい関係者は、マスク氏が毎月4500万ドルを同団体に献金することを約束したと語っていた。

一方でウォール街の民主党献金者らは、ハリス陣営の軍資金を素早く満たし、トランプ氏との資金調達での差を埋めるべく、自らの資産家ネットワークに寄付を呼び掛けている。

バイデン氏に代わる候補として民主党の大統領候補指名獲得を目指すとハリス氏が21日に表明して以来、7つの全国世論調査が行われた。総合すると、民主党が共和党との差をそれまでの約半分に縮めた。ペンシルベニア州の登録有権者1034人を対象に22-24日に実施されたFOXニュースの世論調査では、ハリス氏とトランプ氏の支持率は49%で並んだ。

原題:Harris Raises $200 Million in First Week to Build Up War Chest(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。