小林製薬の「紅麹」成分入りのサプリメントをめぐる健康被害の問題を受け、会長を辞任して特別顧問に就任した小林一雅氏に対し、会社が月額200万円の報酬を支払うことがわかりました。

金額は顧問の4倍だということです。

「紅麹」を使った小林製薬のサプリメントを摂取した人に健康被害が出ている問題をめぐっては今月23日、外部の弁護士による調査報告書が公表されました。

報告書によりますと、小林製薬は今年1月に健康被害の報告を受けていたにもかかわらず、行政への報告は「因果関係が明確な場合に限る」と社内で判断し、2か月後の今年3月まで被害を公表しなかったということです。

また、大阪工場ではおととし11月上旬に、紅麹を培養するタンクのフタの内側に青カビが付着していることが確認されましたが、品質管理担当者は「青カビはある程度は混じることがある」として、問題視しなかったことなどが指摘されています。

一連の問題を受けて今月23日に開かれた臨時取締役会では、小林一雅会長(84)と小林章浩社長(53)が辞任することが決まり、一雅前会長はその日に特別顧問に就任しました。

一雅特別顧問に対して小林製薬は報酬として月額200万円を支払うことを決めましたが、これは社内の規定で定められた顧問に支払う報酬の4倍にあたるということです。

また、顧問の通常の契約期間は2年ですが、一雅氏が就任した特別顧問は3年だということです。

小林製薬は「再建のためには元会長の経験や知見を生かすことが必要だと判断した結果」としています。

さらに社長を辞任する章浩氏と、新たに社長に就任する山根聡専務は月額報酬の一部を返上する予定ですが、一雅氏は報酬を返上しないということです。

小林製薬は「取締役を辞任することで返上は不要だと判断した」としています。

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