(ブルームバーグ): 6月の米中古住宅販売件数は2010年以来の低水準付近にとどまった。売り手は住宅ローン金利がさらに低下するのを待ち、買い手は高止まりする価格に二の足を踏んでいる。
中古住宅販売件数は4カ月連続で減少し、ブルームバーグが実施した調査の全ての予想を下回った。
販売価格の中央値は4.1%上昇の42万6900ドル(約6700万円)と、6月も過去最高を記録した。驚くことに、ここ数カ月で供給が増えたにもかかわらず価格は上昇している。住宅在庫は供給の増加後もなお、過去の基準からすればなお低水準にある。
中古住宅販売在庫は132万戸と、2020年10月以来の高水準となった。ただ、新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となる前の19年6月は190万戸と、現在の水準を大きく上回っていた。現在の販売ペースで見た場合、在庫消化に要する期間は4.1カ月と、過去4年で最長。
統計をまとめた全米不動産業者協会(NAR)のチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は発表文で「住宅価格の中央値は過去最高を更新したとはいえ、これ以上の大幅な加速は考えにくい」と述べた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が過去1年間、金利を20年ぶりの高水準で維持してきたため、買い手も売り手も利下げを熱望している。ここ数カ月にインフレはさらに低下し、失業率は上昇している。
全米抵当貸付銀行協会(MBA)の17日の発表によると、30年物固定住宅ローンの契約金利は12日終了週に6.87%となった。今年のピークである4月の7.29%からは低下しているが、なお2021年末の2倍の水準。
6月に販売された住宅のうち約65%は、売りに出されてから1カ月未満で買い手が決まった。前月は67%だった。販売戸数のうち29%が販売価格が提示価格を上回った。6月の平均売り出し期間は22日間。5月は24日間だった。
中古住宅販売は米住宅市場の大半を占め、契約が成立した時点で算出される。6月の新築住宅販売件数は24日に発表される。
地域別の中古住宅販売は4地域全てで減少し、特に中西部では2011年以来の低水準だった。
詳細は表をご覧ください。
原題:US Existing-Home Sales Drop to One of Slowest Paces Since 2010(抜粋)
--取材協力:Chris Middleton、Cecile Daurat.
(統計の詳細を加え、更新します)
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