日産自動車とパナソニックは19日、家庭内にある同社製の家電を通じて、車の移動情報や状態を音声で通知する新サービスを開始した。日産のコネクテッドカー(インターネットでつながる車)とパナソニックの音声通知サービスを連携させた。両社は協業を深め、さらに新たなサービスを提供する。車の移動情報などを家電から通知するサービスは国内初となる。
日産とパナソニックオートモーティブシステムズ、パナソニックの3社は19日から車と家電を連携させた音声通知サービスの提供を始めた。例えば、車で外出した家族の帰宅や電気自動車(EV)の充電完了を家電から音声で通知する。ロボット掃除機や照明から音声で伝えてくれるほか、テレビやドアホンの画面に情報が表示される。
今回は出発前のお知らせや乗車前のエアコン推奨、事前に設定したエリアに車が入った際の案内、充電、防犯など5つのサービスを提供。サービス利用には日産、パナソニック双方で会員登録などが必要となる。
パナソニックオートモーティブシステムズで新規事業を手がける加藤博司氏は19日に東京都内で開かれた説明会で「暮らしと車をつなげるサービス基盤を実現したい」と意気込みを語った。3社は第2、第3弾のサービス提供を検討している。
調査会社の富士経済の予測によると、コネクテッドカーの新車販売台数(乗用車)の比率は令和4年の58%から17年には85・4%に拡大する見通しだ。
国内メーカーではトヨタ自動車やホンダもスマートフォンで遠隔で車をロックし、エアコンを起動させるサービスなどを展開している。今後は車と自宅をつなげることで、生活の利便性を高める動きが加速する可能性がある。(黄金崎元)
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