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<今や主要製品の14%をインドで製造しているアップル。中国サプライチェーンからの撤退が続く背景には、地政学以外の要因も──>

中国は長年、アップルの看板商品iPhoneの製造を独占していたが、インドの製造拠点が生産を増やすなか、それも終わるかもしれない。

「今やアップルは主要製品の14%をインドで製造している」と、ブルームバーグは4月に報じた。アップルは今年3月期に140億ドル相当のiPhoneをインドで製造し、生産額は前年度から倍増した。


専門家は、アップルが今後も中国のサプライチェーンから撤退を続けるとみている。米トランプ前政権が始めた中国との貿易戦争で、中国のアップルの製造拠点は苦境に立たされた。続くバイデン政権も、中国企業のテクノロジーに規制を課している。

ただし、地政学的な要因だけでアップルが中国から手を引いているわけではない。

iPhoneやマックブックなどの主要商品について、アップルは台湾のフォックスコン(鴻海科技集団)と製造契約を結んでいる。これまでは中国の同社と提携していたが、最近その製造コストが上がったため台湾に切り替えたのだ。

そしてインドも、企業への報奨金制度を設けるなど、この機を逃すまいと動いている。リスク分散したいアップルにとっても、インドに製造拠点を増やすのは合理的だ。

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