斎藤健経済産業相は9日、2024年版の通商白書を閣議に報告した。中国を念頭に、特定国への過度な供給依存によるリスクが顕在化していると指摘。保護主義の台頭への懸念も高まっているとして、同志国と協力して「透明、強靱で持続可能なサプライチェーン(供給網)」を築く必要性があると強調した。伸び悩む輸出力の強化のため企業の海外展開を後押しする必要性も訴えた。
白書はインドなどグローバルサウス(新興・途上国)が高成長を維持しており、日本企業の現地での事業拡大意欲も強いと指摘。これらの国のガバナンス強化や経済の対外開放を支援し、機能不全が続く世界貿易機関(WTO)の機能回復を図ることで、ルールに基づく国際貿易秩序を再構築する重要性を訴えた。
日本は米国やドイツと比べてもレアメタルなどで特定国への依存度が高く、輸入先の分散化を急ぐ必要があると強調した。
また日本企業の輸出数量が伸び悩んでいることを問題視。輸出企業を取引先に持つ「間接輸出企業」の海外展開支援を輸出拡大の課題として挙げた。(共同)
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