<3~4行といった短い文章さえも上手に書けなくなる「ポップコーン脳」とは何か。デジタル時代にこそロジカルに「書く力」が重要な理由について>

ハーバード大学で150年以上も受け継がれているライティングメソッドから生まれた「オレオ公式」。

書くことが苦手な人でも「オレオ公式」を知れば、論理的かつ説得力のある「伝わる文章」の達人になれる。

『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)の「序章 ハーバード・キッズの誕生」より一部抜粋。

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日本の大学入試においても、知識自体を問う問題ではなく、知識を活用する能力を評価する記述式の問題が導入されています。

たとえば、親子の会話の内容と両者の言い分を説明した文章を読み、自分の考えを80〜120字で書くといったものです。

それまでの日本の教育といえば典型的な詰め込み式だったので、この変化には大いに驚かされました。

このように、教育現場が劇的に変化を遂げているその真ん中に、ライティング力があります。近い将来、ロジカルな思考力は必須能力となります。それを伸ばすライティング力強化の重要性を再認識した事例でした。

子どもの「ポップコーン脳」化を防げ

「第4次産業革命に対応する短期戦略と適応力は、逆説的に考えると、長期を見据えた基本的な実力から生み出されるものだ。つまり、世の中がどう変わろうとも、求められる真の競争力は人間の考える力、いわば『基礎知力』がカギを握ることに違いはない」

韓国科学技術院(KAIST)のチョン・ジェスン教授が、あるインタビューで述べた言葉です。

チョン教授は、基礎知力をつけるために、ロジカルな推論やコンテクストの理解に加え、批判的思考、創造的思考などをベースに問題を解決していく力を育てるべきだとしています。

ならば、子どもの問題解決力を育てるにはどうすべきなのでしょうか? 

AIが将来的に子どもたちの食い扶持を奪うと危惧する声も多い中、一方で子どもたちは今、目の前にあるゲームやインターネットに熱狂しています。

こうしたデジタル生活が、子どもたちの大事な脳を刺激的なことにしか反応できない「ポップコーン脳」に退化させているという研究発表があります。

ポップコーン脳は長文を読み取る力がなく、3行4行といった短い文章さえうまく書けません。フェイクニュースに振り回され、指先で拾ったネットの情報や知識を自分の考えと混同します。

こうした子どもたちが増えるにつけ、保護者や指導者たちは子どもの思考力強化に早急に乗り出すべきと感じながらも、どうすべきか手をこまねいています。塾などの外部に丸投げするか、お手上げだとさじを投げるかのどちらかという由々しき状況です。

保護者や教育者が、この本で述べているライティングの効果について一刻も早く気づき、手を打ってくださることを願っています。

アメリカの小学校式、ライティングの力

アメリカの教育当局では、「子どもたちを作家に育てよう」と勧めています。もちろんこれは、詩や小説を書く作家ではなく、ロジカルな作文力を持つ作家級の子どもを育てなさいという意味です。

教育当局では、ライティングが、将来的な生活力や学習力やコミュニケーション力、心理的なスキルの核となると強調し、子どもが小学校に上がってから成人になるまで、学校や家庭でその力を開発していけるようサポートすべきだと述べています。

まずはたくさん読むこと、そして、読んだことを討論し、文章化して応用するといった活動を積極的に行うこと。

アメリカの小学校では毎日授業の前に15分間、ライティングの時間を設けていることもそうした理由からです。

『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』
 ソン・スッキ 著
 岡崎暢子 翻訳
 CCCメディアハウス

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