去年の猛暑によるコメの品質低下などの影響で、いま全国的にコメの流通量が大幅に減少している。県内のコメの販売店でも、一部の銘柄は店頭から商品がなくなるなど影響が出ている。

山形市にある農産品直売所のコメ売り場にも、コメの「品薄」の影響が出ていた。
きょう、店を訪ねてみると、店頭に並んでいたコメは「つや姫」が9袋だけだった。

(やまがたファーム・丹野菊男代表)
「本当だったらズラッとここにコメがあって、そのほかにこのような台車に3つ、コメ袋を積んでいた」

例年であれば、店頭にさまざまな銘柄のコメが45袋ほど山積みにされているはずだが、今年は例年の2割にまで激減しているという。
その理由は、去年の猛暑で県内のコメの収穫量が例年より約1割減ったこと。さらに「1等米」の比率が過去最低となり、市場に出回るコメの量が減ったことがあげられる。

直売所を運営する丹野さんは、市場に出回るコメの量が減る一方で、コロナの5類移行後、外食産業の活性化やインバウンド増加の影響で、コメの需要が伸びていることがコメの品薄感に拍車をかけていると指摘する。

(やまがたファーム・丹野菊男代表)
「4月ごろには、『次の新米までもうもたないね』と。ネット販売をストップさせて店売りだけにしたが、それも先(在庫切れ)が見えてきてしまった」

この直売所では店頭販売のほか、ネット販売も手掛けているが、コメが品薄になった5月以降、販売を止めた。
現在の店の在庫を見せてもらうと…。

(やまがたファーム・丹野菊男代表)
「はえぬき、雪若丸、つや姫と分けていた。本来はここにパレット2段くらい在庫がある。(Q.いつものこの時期だったらもうちょっとある?)当然、今コメ倉庫には1パレット分しかない。それが終わると秋に稲刈りして出るまでコメはない」

そしてきょう、店頭に並ぶコメがあまりにも少ないことから、丹野さんは急きょ、おととし産のコメを並べることにした。
知り合いの農家にも「余っているコメはないか」と聞いて回っているという。

(やまがたファーム・丹野菊男代表)
「これはおととしのコメ。本当は業者などに売ろうと思っていたが、急きょ精米した。今コメがないから出しているところ。古米を精米して出したのは初めて。あとはなくなったら新米が出るまで待ってもらう。辛いですね、コメ屋としてはコメがないのはね」

今年産のコメは、早ければ9月ごろから出回り始める。丹野さんは、今年のコメはなんとか順調に育ってほしいと願っている。

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