大阪・関西万博開幕まであと1年。どのような“最新テクノロジー”が見られるのでしょうか。1970年の大阪万博で話題となった「人間洗濯機」の今は?また、国や大企業だけではなく、町工場から万博へ『空飛ぶトラック』職人集団にも取材しました。

1970年の大阪万博で“最新”とされた技術が現在は当たり前に

 高度経済成長期の日本を象徴する一大イベント「大阪万博」。「人類の進歩と調和」をテーマに77カ国が参加した万博は、海外の国々やそこで暮らす人々がまだ縁遠い時代の日本にとって、見るもの聞くものすべてが新しい刺激的なものでした。
3.jpg4.jpg
 現在では当たり前となった電気自動車や動く歩道も当時は最新とされた技術。遠い宇宙の世界もいまや手に届くものとなっています。
7.jpg
 スマートフォンの元祖ともいえるのが『ワイヤレステレホン』。電気通信館で、NTT(当時・日本電信電話公社)が未来の電話機としてお披露目。固定電話が主流だった時代に、ワイヤレステレホンは来場者たちの心を掴みました。

『ワイヤレステレホン』は展示が製品開発の大きなヒントに

 あれから半世紀…。

 (記者リポート)「1970年の大阪万博で展示されたワイヤレス電話、これをきっかけにショルダーフォン、そして携帯電話、スマートフォンへと電話端末は進化していきました」

 時代と共に電話機は進化を遂げていきましたが、万博でワイヤレステレホンを展示したことが、その後の製品開発の大きなヒントになったといいます。
10.jpg
 (NTT情報ネットワーク総合研究所 辻ゆかり所長)「両手で操作することを想定していたんですね。ですけれども実際にお客さまにご利用いただきましたら、親指で番号を押して電話するっていう方が多かったなっていうのが発見できたことの一つです」

 万博を機に軽量化・小型化・省電力化が進み、携帯電話は誰もが利用するようになりました。

新技術『IOWN』でその場にいるような感覚

 来年の万博ではどんな未来の技術が見られるのでしょうか?

 (辻ゆかり所長)「『IOWN』という将来ネットワークを今度の万博で出させていただきます。ワイヤレステレホンからスマートフォンにこんな形で発展したように、社会情報インフラになることを願っているところです」

 IOWNはこれまでにない超高速大容量の通信が可能になるシステムです。
15.jpg
 この技術を使い、万博では遠く離れた場所でのパフォーマンスを、パビリオン内に3次元映像で映し出すことで、あたかもその場所にいるような感覚になるというのです。
16.jpg
 (NTT大阪・関西万博担当 飯村栄彦さん)「3D空間そのものがやってくるので、まるで横に一緒にいるかのような感覚っていうのが生まれる。一緒に座ってると、(机を)どんどんとすると(振動を)感じますよね?離れていても匂いですとか雰囲気を感じる。そんな五感すらも届けるような世界をパビリオンでお届けできたらなと」

 さらに、AI(人工知能)の技術で、趣味や性格などの情報をアバター(分身)に学習させることで、もう一人の自分を作り上げていきます。
38.jpg
 将来的には、もう一人の自分が意思を持ち、独自のコミュニケーションを始めていくことを想定しています。

 (飯村栄彦さん)「バーチャルの空間の中で、誰がそこで生活をして行動するのかというと、私の代わりのアナザーミー。生活空間の広がりみたいなものがうまれるんじゃないかなと」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。