(ブルームバーグ): 28日の米国株式市場で、スポーツ用品メーカーの米ナイキの株価が2001年以来の大幅安。約290億ドル(約4兆6600億円)の時価総額が吹き飛んだ。ジョン・ドナホー最高経営責任者(CEO)率いる同社経営陣に対する批判が強まっている。

  ナイキは前日、2025年5月期の売上高が「1桁台半ば」の減少率になるとの予測を示した。ブルームバーグ集計のアナリスト予想では約2%の伸びが見込まれていた。これを受けてナイキ製品に対する需要低下への懸念が強まったほか、「オン(On)」や「ホカ(Hoka)」といった新興スニーカーブランドや長年のライバルである独アディダスとの競争激化が意識された。これを受けて、ブルームバーグが追跡している少なくともアナリスト少なくとも7人が投資評価を引き下げた。

  ナイキの株価は、約20%安で終了。過去1年では17%下落している。

  スティーフルのアナリスト、ジム・ダフィー氏は28日付けのリポートで「経営陣への信頼性が大きく揺らいでいる」と指摘。「経営陣刷新の可能性もあり、一段と不透明感が増している」と述べた。

  ナイキは2020年1月にCEOに就任したドナホー氏の指揮下で、新型コロナウイルス禍後にカジュアルなフットウエアが人気を集めた流れに乗った。年間売上高は2020年度から23年度にかけて140億ドル近く増加し、初めて500億ドルの節目を超えた。

  しかし足元では、このカジュアルセグメントが圧力にさらされている。ナイキ幹部は「エアフォース1」や「ダンク」などのライフスタイルブランドの不振が3-5月(第4四半期)の売上高低迷の背景にあると分析した。このカテゴリーの売上高はコロナ流行以降、初めて減少に転じた。

原題:Nike’s Biggest Drop in 23 Years Puts Pressure on CEO Donahoe (1)(抜粋)

--取材協力:Kim Bhasin、Tim Loh.

More stories like this are available on bloomberg.com

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。