(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループは、欧州中央銀行(ECB)が金利をさらに引き下げるとの予想から、インド・ルピーで運用するキャリートレードの調達通貨としてユーロを選好している。

  ゴールドマンは高利回りのアジア新興市場通貨の中でルピーに対して「最も建設的」だと、アジア新興市場の外為・金利戦略責任者、ダニー・スワナプルティ氏がインタビューで語った。

  ECBが6月に利下げを開始したため、ユーロは対ドルで今年3%余り下落している。政策委員会メンバーのレーン・フィンランド中銀総裁は今年あと2回の利下げという投資家の予想は妥当だと発言した。対照的に、インド準備銀行(中銀)はインフレ抑制に注力する姿勢を示している。

  6500億ドル(約104兆4000億円)の外貨準備に支えられた中銀の度重なる介入により、ルピーは世界で最も安定した通貨の一つとなっている。

  「インド中銀は通貨の安定を優先する姿勢を維持し、ドルの上昇リスクを抑えドル・ルピー相場を比較的狭いレンジに保つと予想している」とスワナプルティ氏は述べた。

  最近の選挙でモディ首相率いる政党への支持が予想を下回ったことで、目先のセンチメントが冷え込む可能性は低いとの見方も示し、「モディ首相の新任期においてもマクロ的な安定が維持されると予想しており、ルピーに対する建設的な見方を変えることはない」と語った。

  ゴールドマンはインド債についても強気で、2年債の買いを推奨している。

原題:Goldman Uses Euros to Fund Its Favorite Carry Trade: the Rupee(抜粋)

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