タクシー乗り場に連なるタクシー=福岡市中央区天神で2024年6月26日午後1時9分、平川昌範撮影

 福岡市やその近郊の「福岡交通圏」で営業するタクシーが「迎車料」を導入する。電話やスマートフォンアプリでタクシーを呼んで乗車する際に200~300円が運賃に上乗せされる仕組みで、国土交通省九州運輸局が圏内の約6割に当たる58社に認可を出した。同局によると、燃料費の高騰やアプリによる配車の普及が背景にある。九州の一部地域では時間を指定してタクシーを予約する際に料金を上乗せする社があるが、タクシーを呼ぶ場合全般で定額の迎車料を導入するのは九州で初めて。

 九州運輸局によると、福岡交通圏(福岡、春日、大野城、筑紫野、太宰府、古賀、糸島、那珂川の8市と粕屋郡の7町)で営業する94社のうち申請のあった58社について、24日までに迎車料の導入を認可した。呼ばれた場所までの距離や所要時間に関係なく、200~300円を運賃に上乗せする。準備ができた会社から順次、適用を始める。

 このうち福岡市内のタクシー会社などでつくる福交運輸事業協同組合(同市早良区)は7月1日から電話での迎車に300円(税込み)、アプリでの迎車の場合はさらにアプリ使用料100円を加えた400円(同)の支払いを求める。

 市内のあるタクシー会社の担当者は「物価高もあり、導入は避けられなかった」とした上で「初乗り料金でもアプリ配車なら400円が加算されて1000円を超える。お客さんに避けられる可能性もあり、反応を注視したい」と話す。

 各運輸局によると、迎車料は関東地方の多くのタクシー会社で以前から導入されている。また、九州では熊本県で営業する会社の一部で今年4月から、時間を指定してタクシーを予約する場合に上乗せ料金を設定している。【平川昌範】

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