7月3日の新紙幣発行を控え、1万円札の顔となる実業家、渋沢栄一ゆかりの地は関連イベントで盛り上げる。
渋沢の出身地である埼玉県で温浴施設や日帰り温泉を運営する「温泉道場」は、新1万円札に見立てた国産ヒノキ入浴木を湯船に浮かべる「渋沢栄一お札風呂」を企画。男女それぞれの湯で50枚の模造1万円札に囲まれながら地元の偉人に思いをはせることができる。運営する「おふろcafeハレニワの湯」(熊谷市)など4カ所で28日から7月7日まで開く。
「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢は、約500の企業や団体に関わり、1878年には東京商工会議所を創立した。東商はオリジナルグッズやフードで初代会頭を務めた渋沢を“推す”。
カジュアル衣料品のユニクロのTシャツ作成サービス「UTme!」を利用し、東商が提供した渋沢の素材を使ったTシャツを作れる。ベーシックTシャツは税込み1990円。パーカやトートバッグなどもある。東京都中央区のユニクロTOKYOと銀座店の2店舗で、7月3日からサービスを始める。
同千代田区の東商と同じビルに入るコーヒーチェーン「タリーズコーヒー」では、渋沢の肖像をラテアートで描いた「渋沢栄一ラテ」を販売。アイスとホットのトールサイズ(店内飲食で税込み590円)を、7月31日まで販売する。
日本を代表する金融街、東京・兜町(中央区)では、街の歴史や渋沢の功績を伝える無料の謎解きイベントが開かれている。「兜町謎解き街めぐり」と題し、クイズに答えながら、渋沢が設立に関わった国内初の銀行、第一国立銀行(現在のみずほ銀行、1873年設立)や東京株式取引所(現在の東京証券取引所、78年設立)といった建物をめぐる。
同地域にあった渋沢の邸宅跡地に建つ「日証館」に本店を構える平和不動産が主催する。同社の担当者は、「謎解きを終えると、個人と社会的利益の両立を目指した渋沢の考え方を理解できる仕組みになっています」とPRする。所要時間は2時間程度。兜町周辺で配布する専用の冊子を入手すれば参加できる。
新紙幣発行日の7月3日午後7時ごろからは、東商による東京タワーのライトアップも予定されている。【嶋田夕子】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。