2024年度の最低賃金(最賃)について議論する厚生労働省の中央最低賃金審議会の審議が25日、始まった。開始に合わせ、千代田区の厚労省前では労働組合の全国組織の全労連や全労協の組合員らが大幅な最賃引き上げなどを訴えた。24年春闘は大企業を中心に大きな賃上げがあったが、最低賃金も同様の引き上げがあるのか注目を集めている。
厚労省前では午前10時半、約70人の組合員が「いますぐ時給1500円」「全国一律最低賃金」などのプラカードを手に、生活の苦しさなどを訴え、大幅引き上げを求めた。
最賃は、ここ数年引き上げが続き、23年度は都内が1113円、全国平均も1004円と1000円を超えた。一方、最賃を引き上げることで、時給が最賃以下となり影響を受ける(引き上げになる)人の割合を表す影響率は10年前には4・9%だったのが19・2%(22年)台になり、最低賃金に近い額で働いている労働者が増えている。全労協の渡辺洋議長は「最賃は今や貧困層だけの問題ではない。多くの労働者の問題だ」と指摘した。また、生協労連の渡辺利賀さんは「今の仕事で生活を成り立たせるには数十円ではなく、数百円の引き上げが必要だ」と訴えた。
中央審議会は、議論して各地の審議会に引き上げの目安を示す。目安を受け、10月の改定に向け最賃額を決める。【東海林智】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。