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<「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」特別賞:グロービス経営大学院部門賞を受賞した孫泰蔵さんの『冒険の書』>

「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」で、ぜひともビジネスパーソンに一読をすすめたい書籍に贈られる「<特別賞>グロービス経営大学院賞」を受賞したのは、『冒険の書』(日経BP、以下「本書」)。著者は、連続起業家であり多くのAIスタートアップと関わってきた孫泰蔵さんです。

2月13日に東京で行われた授賞式では、プレゼンターであるグロービス経営大学院 教員/株式会社グロービス マネジング・ディレクターの井上陽介さんより、孫さんへのオンラインインタビューが行われました。本記事では、インタビューの様子をお伝えします。(※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です)

【受賞インタビュー】いまは苦しくても、自分に合う場所がきっと見つかる

井上陽介さん(以下、井上) 「<特別賞>グロービス経営大学院賞」受賞おめでとうございます。現代を生きる人たちにぜひ読んでもらいたい一冊となっていますが、執筆を開始したのはいつ頃だったのでしょうか。

孫泰蔵さん(以下、孫) 3年半ほど前に本書の執筆をスタートしました。ちょうど出版(2023年2月)とほぼ同じタイミングでChatGPTがリリースされ、一般の人にとっても生成AIが身近な存在になったことで、本書に注目していただけたのかなと思っています。

井上 もともとはクローズドな場で書かれていたものを、日経BPの編集者・中川ヒロミさんの強い勧めで書籍のかたちにまとめたとうかがいました。ご執筆の動機をお聞かせください。

 私は世界中のディープテックのスタートアップに出資し、応援する仕事をする中で、一般の方より少しだけ早く先端技術に触れ、これから先の未来について考える機会があります。

これから、AIやロボットなどといった新しい技術があらゆる分野に大きな影響・変化をもたらすでしょう。そんな未来を見据えたとき、個人としてもひとりの親としても、未来をつくっていく若い世代たちに向けてメッセージを贈りたいという気持ちでいっぱいになりました。本書はその思いをもとに、何度も書き直しながらまとめました。

井上 本書を通して、若い世代にどのようなメッセージを伝えたいですか。

 若い世代のみなさんにお伝えしたいのは、「もし一つの価値観や狭い世界の中で窮屈な、苦しい思いをしているなら、外にはまた別の世界が広がっているし、時代はどんどん変わっていくと知ってほしい」ということです。

そして「世の中は今後こう変わるから、対応しないとまずいよ」ではなく「『こうじゃないとダメだ』と思い込む必要はないよ。もっと気楽に、目線を上げて広い世界を見てみれば、自分に合う場所が見つかるかもしれないよ」とも伝えたいです。

ビジネスパーソンのみなさんにも、何かのヒントになれば幸いです。

冒険の書
 著者:孫泰蔵
 挿絵:あけたらしろめ
 出版社:日経BP
 要約を読む

【本賞の選出理由】ビジネス書の枠を超えた、希望となる一冊

私(プレゼンターであるグロービス経営大学院 教員/株式会社グロービス マネジング・ディレクターの井上陽介さん)自身、『冒険の書』を手に取らせていただき、一気に最後まで読み終えました。

なぜ本書はこれほどまでに読者の心を動かすのか。それはおそらく、誰もが感じている「学校の学びはどうして楽しくないのだろう」という誰もが一度は感じたことのある素朴な疑問に対して、新しい教育や生き方の視点から本質的な問いを立て続け、示唆を提示してくれているからだと思います。

もうひとつ、最後まで読者を惹きつける理由は、孫さんの語り口にあるでしょう。ストーリー仕立てとなっており、物語の主人公になった気持ちで読み進めることができます。

本書はビジネス書でありながら、その枠組みを大きく超えたすばらしい書籍だと考えます。多くのビジネスパーソン、そして社会に出ていく子どもたちにとって希望となる一冊だと考え、本賞に選定させていただきました。


孫 泰蔵(そん たいぞう)

1996年、大学在学中に起業して以来、一貫してインターネット関連のテック・スタートアップの立ち上げに従事。2009年に「アジアにシリコンバレーのようなスタートアップのエコシステムをつくる」というビジョンを掲げ、スタートアップ・アクセラレーターであるMOVIDA JAPANを創業。2014年にはソーシャル・インパクトの創出を使命とするMistletoeをスタートさせ、世界の社会課題を解決しうるスタートアップの支援を通じて後進起業家の育成とエコシステムの発展に尽力。そして2016年、子どもに創造的な学びの環境を提供するグローバル・コミュニティであるVIVITAを創業し、良い未来をつくり出すための社会的なミッションを持つ事業を手がけるなど、その活動は多岐にわたり広がりを見せている。

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flier編集部

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