日本銀行本店=東京都中央区で2019年9月、後藤豪撮影

 日銀は14日の金融政策決定会合で、国債買い入れを減額し、事実上の量的引き締めを始める方針を決めた。具体的な金額は次回7月末の会合で決める。3月に決めたマイナス金利など一連の異次元緩和策の終了に続き、金融政策の正常化を進める。

 現在の国債の月間買い入れ額は6兆円程度で、次回会合では今後1、2年程度の具体的な減額計画を決める。日銀は約600兆円の国債を保有しており、政府の発行残高の約半分を占める。買い入れを減らすことで、満期を迎えた分の償還に伴って保有残高は緩やかに縮小する見込み。

 為替相場ではこれまで低金利の円が売られ、高金利のドルが買われることで円安が進行してきた。日銀の国債買い入れが減ると、市場の取引価格が下がり、長期金利は上昇する可能性がある。

 一方、追加利上げは見送り、0~0・1%程度の政策金利(無担保コール翌日物)は据え置いた。賃金や物価、経済情勢を見極める必要があると判断した。【浅川大樹】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。