米連邦準備制度理事会(FRB)本部=米ワシントンで

 米連邦準備制度理事会(FRB)は12日、政策金利を5・25~5・5%に据え置くと決めた。高水準の政策金利が物価上昇(インフレ)抑制に効いていると見て、金融政策の効果と副作用を慎重に見極める。FRBは同時に示した最新の経済見通しで、年内に0・25%の利下げを1回するシナリオを示唆。従来は年3回だったが、インフレ長期化で利下げペースが遅れる見通しとなった。

 金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開いて決めた。金利据え置きは2023年9月以来、7会合連続。

 12日午前に発表された5月の米消費者物価指数は前年同月比で3・3%上昇した。2カ月連続で前月を下回ったものの、FRBが目標とする2%を上回っており、23年ぶりの高水準に引き上げた政策金利を据え置く必要があると判断した。

 一方、FRBが示した最新の経済見通しでは、年末の政策金利は5・1%だった。現在の政策金利から利下げに転じるとすれば、0・25%の利下げを1回する計算になる。

 3月に示した経済見通しでは、年末の政策金利は4・6%で利下げは3回の予定だった。市場では当時、「利下げ開始は早ければ6月」との見方が出ていたが、現在は大幅に遅れるとの見方が強まっている。【ワシントン大久保渉】

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