杜氏と一緒に「櫂入れ」作業に取り組むハイダー・ヘッシュンさん(右)=兵庫県丹波市市島町中竹田の西山酒造場で2024年6月7日午後2時26分、丸井康充撮影

 米フロリダ州で初の酒蔵をつくったハイダー・へッシュンさん(35)が、「海外蔵人研修」のプログラムで、兵庫県丹波市市島町中竹田の西山酒造場で酒造りの技術向上に取り組んでいる。

 日本酒造りに興味を持ち、2023年8月に酒蔵をつくったヘッシュンさんは、5月8日から滞在8週間の予定で初来日。蔵人らと生活を共にしながら発酵や醸造技術などの理論の学習、洗米やもろみの仕込み、タンク内のもろみに空気をまぜて発酵を促す「櫂(かい)入れ」を杜氏(とうじ)の指導を受けて実践している。

 酒ソムリエ協会(本部・英ロンドン)が主宰している国際資格としては最高の「Master of Sake」コースの研修生としてプログラムを受けている。西山酒造場は14年から外国人の1日研修を受け入れてきた実績があり、同資格の研修生の受け入れは昨年に続いて2人目。

 フロリダ州初の酒蔵として恥じないものを造れるように参加したというヘッシュンさん。日本酒造りに挑んだ動機について「手間をかけた分、結果に出るところが興味深い」と話し「酒蔵を大きくして多くの酒を造って広く販売していきたい」と将来の夢を語った。【丸井康充】

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